Ascocoryne sp. no.2

Ascocoryne sp. no.2

Ascocoryne sp. no.2
ムラサキゴムタケ属菌。3月15日撮影。

[特徴]
朽木上に単生あるいは少数が群生する。子嚢盤は皿形から凸形に反り返って不規則に湾曲し、直径 3 cm. までになる。 子実層面は平滑、粘性は無く、明るい赤紫色。縁は全縁、外面もほぼ同色、平滑、時にやや顆粒状。 明瞭な太くて短い柄があり、中央付近で基質に固着する。肉厚は 1 cm. 程度になり、柔軟、むしろ革質。-- 子嚢は円筒形、先端は肥厚し、頂孔はメルツァー試薬で青変する。基部にはかぎ形構造がある。8胞子を2列に生じる。168-215 × 8-9.2 μm. -- 側糸は糸状、基部付近で分岐し、隔壁がある。径 1-1.5 μm. 程度、先端は次第に膨らんで棍棒状あるいは槍状、径 2.5 μm. 程度までになり、内容物はほぼ無色で一様。-- 子嚢胞子は両端の丸い紡錘形、やや湾曲して左右不対称、無色、薄壁、平滑、内容物は細かい泡状、時に比較的大型の2あるいは4個の油球がみられる。 16.5-22.8 × 4-4.8 μm.、初めは無隔壁だが後に3個の横隔壁を等間隔に生じて4細胞になる。 分生子を両端あるいは側面にほぼ座生状に生じる。分生子は亜球形ないし広楕円形、1.7-2.2 × 1.0-1.5 μm.、小さな1油球を含む。 子嚢胞子は時に一端から発芽して菌糸を伸ばし、同様の分生子をまばらに側生する。-- 托組織髄層は径 2-2.5 μm. 程度の菌糸からなる疎な絡み合い菌組織でゼラチン質に包まれ、細胞表面には微小な赤紫色の顆粒状結晶物が僅かに付着する。 外皮層は厚さ 150 μm. 程度まで、淡赤紫色を帯びた径 8-40 μm. 程度のほぼ球形ないし楕円形の薄壁の細胞からなる。

[コメント]
春、比較的早い時期にシイなどの広葉樹の古い朽木に発生する。 発生環境や肉眼的特徴はムラサキゴムタケ (Ascocoryne cylichnium) に似ているが、少なくともムラサキゴムタケが多く発生する秋から初冬にかけての時期には見られない。 観察例が少なく、変異幅の詳細も確認できていないが、大型で少し色合いが異なる子実体、3隔壁を生じるやや小型の子嚢胞子などの特徴から、別種だと思う。

[初掲載日: 2023.04.15] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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