Asterina japonica

Asterina japonica

Asterina japonica Theissen
ナワシログミすす病菌。5月5日撮影。

[特徴]
葉表面に黒褐色の菌叢が広がる。菌叢は不正円形、直径 1-3 mm 程度、時に融合してさらに大きくなる。 菌糸は暗褐色、やや厚膜で分岐、隔壁があり、径 3-5 μm.、まばらに菌足がある。 菌足は単細胞、暗褐色、菌糸側壁に付着したような形で互生し、豆型ないしまんじゅう型、8.6-10.2 × 5.5-6.5 μm. -- 子嚢子座は菌叢中央部に群生する。表在性、平たい円盤状楯型、径 200-300 μm.、上面は放射状に密に並んだ暗褐色厚膜の菌糸からなる。 孔口は不明瞭で、成熟時には中央付近から数片の不規則な放射状に裂開し、子嚢が現れる。-- 子嚢は多数、卵形ないし広楕円形、厚膜、メルツァー試薬に呈色しない。先端部は特に肥厚し、盲管状の頂孔がある。8胞子を生じる。42-50 × 17-35 μm. -- 子嚢周辺には径 2-4 μm. 程度の無色薄壁の細胞がつながった、先端の丸い側糸状のものがみられる。-- 子嚢胞子は楕円形、ほぼ中央に隔壁があり2細胞、隔壁部は括れる。薄壁、平滑、初め無色だが後には褐色を帯びる。 下半の細胞がやや細く、19.4-20.9 × 9.4-11.4(上半細胞)/ 8.2-10.8(下半細胞)μm.。 各細胞に大きな油球が1個含まれるが後にはやや不明瞭になる。下端にはゼラチン質の被膜がある。

[コメント]
ナワシログミ (Elaeagnus pungens Thunb.) の葉上に発生しているのをよく見る。 秋頃から黒褐色斑点状の菌叢が目立つが、子嚢胞子が成熟するのは落葉後の翌春の様である。

[参考文献]
Katumoto (1975): The Hemisphaeriales in Japan. (山口大学農学部学術報告 ; 26, p. 45-122).

[初掲載日: 2015.05.07]