Chloroscypha seaveri

Chloroscypha seaveri

Chloroscypha seaveri Rehm ex Seaver.
スギ黒粒葉枯病菌。5月11日撮影。

[特徴]
子嚢盤はスギ落葉表面に散生する。洋コマ形、乾燥時は黒色粒状だが、湿ると膨らんで直径 0.6 mm. 程度になる。子実層面は暗緑褐色、平滑。 縁は全縁、外面はほぼ同色で平滑。やや太くて短い柄がある。-- 子嚢は棍棒形、薄壁あるいはやや厚膜、8胞子を不規則な2列に生じる。先端は著しく肥厚するがメルツァー液に呈色しない。114-148 × 22.0-28.5 μm. -- 側糸は糸状、無色、隔壁は少数、直径 1.0 μm. 程度。先端はわずかに膨らみ、黄褐色のヤニ状物質に覆われて子実上層を形成する。 -- 子嚢胞子は広紡錘形から長円形、薄壁平滑。内容物は細かい泡状で無色あるいはわずかに淡黄色に見える。25.7-31.4 × 9.1-10.2 μm. -- 托髄層は絡み合い菌組織、外被層は薄壁やや黄褐色の平行菌糸からなり、最外層はゼラチン質に包まれる。

[コメント]
スギ (Cryptomeria japonica) の落葉(枝打ちしたもの)に発生していたもの。 C. seaveri にはやや胞子が小型の品種 C. seaveri f. lawsoniana Petrini があるが基本品種でいいと思う。 小さくて目立たないが枯葉上に普通に見つかり、腐性的に発生しているように見える。時に大発生して問題になるという。

[参考文献]
Kobayashi (1965): Taxonomic notes on Chloroscypha causing needle blight of Japanese conifers. (林業試験場研究報告 ; 176, p. 55-74).
Petrini (1982): Notes on some species of Chloroscypha endophytic in Cupressaceae of Europe and North America. (Sydowia ; 35, p. 206-222).

[初掲載: 2008.05.23]