Chlorosplenium chlora

Chlorosplenium chlora

Chlorosplenium chlora (Schw.: Fr.) Curt.
クロロスプレニウム クロラ。1月15日撮影。

[特徴]
子嚢盤は群生する。浅い椀形からほとんど平らな皿状に開くが、縁はやや内屈するものが多く、直径 2-4 mm.、子実層面は幼時は淡黄色、後には白っぽく退色し、さらに淡オリーブ色から灰緑色を帯びる。 柄は中心生、ほとんど無いか非常に短い。外面は細かい皺状ないし微粉状で灰緑色、基部付近は暗緑色を帯びる。肉質は比較的丈夫。朽木は青変しない。-- 子嚢は円筒形、先端は肥厚し、頂孔はメルツァー試薬で青変する。8胞子を2列に生じる。50-60 × 4.8-5.8 μm. -- 側糸は糸状、基部近くに隔壁がある。径 2.0-2.5 μm. で上下同幅。内容はほぼ一様な淡黄色。-- 子嚢胞子は長楕円形でやや左右不対称。無色薄壁で平滑。両端近くに小さな油球状の内容物がある。7.6-9.2 × 2.0-2.6 μm. -- 托髄層は淡色の菌糸からなる絡み合い菌組織、外被層は厚さ 80-120 μm. 程度、やや厚膜で緑褐色の丸みを帯びた径 15 μm. 程度までの角形の細胞からなり、 表面近くの細胞はやや小型で濃色、厚膜になる。表面には径 2.5-3.5 μm.、僅かに褐色を帯びた隔壁のある菌糸があり、先端は短く立ち上がる。

[コメント]
様々な種類の朽木の材部に群生し、秋から冬にかけて良く見られ、低温期に発生した子実体の寿命は長く、春先まで残っているものもある。 幼菌は比較的鮮やかな淡黄色でよく目立つが子嚢胞子は成熟していない場合が多い。 成熟の度合いによって色合いの変化が大きく、別種の様に見えるものもあるが、関西の低山域に発生する同属菌はこれ一種と思われる。

[別図2] 11月30日撮影。未熟な子実体。子嚢胞子は全く観察できなかった。
[別図3] 12月29日撮影。

[参考文献]
Dixon (1974): Chlorosplenium and its segerates. I. Introduction and the genus Chlorosplenium. (Mycotaxon ; 1(2), p. 65-104).
長尾 (2001): 自然教育園に発生した盤菌綱菌類. (自然教育園報告 ; 33, p. 31-39).

[初掲載日: 2006.03.03, 最終更新日: 2020.02.28] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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