Coccomyces sp. no.10

Coccomyces sp. no.10

Coccomyces sp. no.10
コッコミケス属菌。9月19日撮影。

[特徴]
サカキの落葉に発生する。両面に発生するが、裏面に発生するものが多い。落葉は脱色して黄変し、子実体の周囲はやや幅広の褐色の帯線に囲まれる。 帯線に近い部分には、精子殻が多く形成される。子実体はクチクラ下に形成され、丸みを帯びた3角形(時に4角形)で径 0.6-0.8 mm. 程度、殻皮は殆んど黒色でツヤがある。 後に上面が放射状に裂開して反転し、子実層を露出する。子実層は僅かに凸形に盛り上がりややロウ質、半透明で僅かに黄色味を帯び、暗色の子実下層が透けて肉眼では灰色に見える。-- 子嚢は長円筒形、8胞子を束状に生じる。基部はややくびれて末端は丸く膨らむものが多い。先端は殆んど肥厚せず、メルツァー液に呈色しない。142-160 × 6-6.9 μm. -- 側糸は少ない。糸状、隔壁があり、径 2.8-3.0 μm.、先端はやや膨らんで 3.4-4.0 μm.、上半は淡黄色の油球を含む。全体がゼラチン質の無色の被膜に被われ、互いに合着する。-- 子嚢胞子は糸状、無色、射出された子嚢胞子は緩やかに曲がって弓形あるいはS字状になる。先端は丸く、末端は細くなってやや尖る。全体が薄い被膜に包まれ、先端部では厚くなりキャップ状に見える。90-108 × ±1.0 μm. -- 精子殻は黒褐色点状、径 0.1-0.2 mm. 程度。構造の詳細や不動精子は確認できていない。

[コメント]
サカキ (Cleyera japonica) の落葉に発生する。帯線は1ないし少数の子実体を囲んで細かく多角形に形成され、落葉全体が亀甲模様になる。

[初掲載日: 2020.11.20] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
All rights reserved. Copyrighted by Masanori Kutsuna, 2020.