Cudonia sp. no.1

Cudonia sp. no.1

Cudonia sp. no.1 = Cudonia helvelloides S. Ito et Imai?
ホテイタケ属菌、クラタケ? 10月26日撮影。

[特徴]
子実体は頭部と柄からなる。頭部はドーム型ないし鞍形、時に中央は窪み、径 4-12 mm.、肉は薄く 1 mm. 程度、上面に子実層が形成される。 子実層面は平滑、やや肉色を帯びた淡黄色から象牙色。裏面は無毛、周辺部以外には放射状の浅いしわ襞があって柄の上部に続く。 縁は全縁、強く反り返って柄を巻きこむが柄とは合着しない。 柄は円柱状、時にやや扁平、高さ 2-5 cm.、径 3-6 mm.、基部はやや太くなる。 表面はわずかに縦のうねがあって淡紫褐色を帯び、ほとんど平滑だが時に細かい鱗片状になる。全体が柔らかい肉質で中実、粘性は無い。-- 子嚢は棍棒形、下半は細く伸び、先端はやや肥厚しメルツァー液で呈色しない。8胞子を束状に生じる。157-200 × 13.4-14.6 μm. -- 側糸は糸状、径 1.5-2.5 μm.、隔壁があり、上半で時に分岐する。内容は無色で一様、先端は同幅かわずかに膨らみ、緩やかに屈曲する。-- 子嚢胞子は太針状、無色、わずかに弓状に曲がり、先端は丸く、末端はやや細い。 中央付近以外は細かな泡状内容物があり、射出直後の子嚢胞子に隔壁は認められない。全体に薄い無色の被膜がある。51.5-60.0 × 2.2-2.8 μm.。 後に5-7個の隔壁を生じ、各細胞から1(時に2)個の分生子を生じる。分生子は細くて短い分生子柄の先端に単生し、楕円形、1油球を含み 2.4-2.6 × ±2.0 μm. -- 頭部の組織髄層は径 10 μm. 程度までの菌糸からなる絡み合い菌組織で、やや平行な菌糸層を経て厚さ 40-70 μm. 程度の外皮層がある。 外皮層は径 5-15 μm. 程度の不揃いな球形細胞からなり、表面で所々房状に盛り上がる。

[コメント]
秋頃、林内の地上に束生あるいは群生し、子実体付近の落葉層には白色の菌糸がマット状に広がる。 子嚢胞子の大きさは日本産の Cudonia(ホテイタケ属)の中ではクラタケに一致するけれど、原色日本新菌類図鑑(II)に示される特徴とは幾分異なっているし、 北海道きのこ図鑑(高橋郁雄, 2003, p. 29)や日本のきのこ(p. 545)の図ともずいぶん様子が違うので、疑問符を付けておく。 長尾, 黒木(2001)にはクラタケの子嚢がメルツァー液で青変するとあるけれども、Cudonia 属の子嚢は一般にヨード反応は陰性である。

[別図2] 朽木脇に発生していた物。朽木を除けると下に菌糸がマット状に広がっていた。右下の白い部分がそれ。10月12日撮影。

[参考文献]
Imai (1936): Studies on the Geoglossaceae of Japan. III. The genus Cudonia. (The Botanical magazine ; 50, p. 671-676).
Mains (1956): North American species of the Geoglossaceae. Tribe Cudonieae. (Mycologia ; 48. p. 694-710).
長尾, 黒木 (2001): 宮崎県および隣接域の盤菌類(1). (宮崎県総合博物館研究紀要 ; 22, p. 143-151).

[初掲載日: 2014.02.06, 最終更新日: 2014.11.10]