Dasyscyphella sp. no.1

Dasyscyphella sp. no.1

Dasyscyphella sp. no.1
ニセヒナノチャワンタケ属。12月10日撮影。

[特徴]
子嚢盤は散生あるいはやや群生する。はじめは椀形だがほぼ平らに開き縁はやや内側に巻く。直径 0.6-1.8 mm. 子実層面は最初やや黄色味を帯びるが後には白色。 外面は白毛に覆われ、水滴を付けることが多い。柄は細く、長さ 1.0 mm. 以下。-- 子嚢は棍棒形、先端はやや尖り、頂孔はメルツァー液で小さな点状に青変する。8胞子をほぼ二列に生じる。62-80 × 5.4-5.8 μm. -- 側糸は直線的な糸状、先端はやや丸く尖らない。隔壁は不明瞭、子実層からわずかに突出するか殆んど同じ。無色で内容は一様に見える。径 1.6-2.0 μm. -- 子嚢胞子は長楕円形あるいは桿菌形、時にやや左右不対称。無色平滑。両端に少量の泡状内容物がある。7.7-10.8 × 2.2-2.5 μm. -- 外面の毛は最外面の細胞から生じ、無色薄壁。数個の隔壁があり、径 2.5-3.0 μm.、先端はわずかに膨らんで 3.5 μm. までになり長さ 100-150 μm.。 先端付近は平滑だが下半にはまばらに無色の細かい顆粒を付ける。顕著な内容物は認めにくい。

[コメント]
地上の朽木の材部に群生していたもの。 外面の毛は上半が平滑で先端が丸いので Dasyscyphella 属だろう。Dasyscyphella nivea と違って側糸先端はほぼ子嚢と同じ高さである。 Dasyscyphella dryina (Karst.) Raitviir が近いと思う。

[参考文献]
Raitviir (2002): A revision of the genus Dasyscyphella (Hyaloscyphaceae, Helotiales). (Polish botanical journal ; 47(2), p. 227-241)

[初掲載: 2007.03.02]