Dicephalospora rufocornea

Dicephalospora rufocornea

Dicephalospora rufocornea (Berk. & Br.) Spooner
ニセキンカクアカビョウタケ。8月7日撮影。

[特徴]
子嚢盤は有柄皿状、子実層面は平滑で黄橙色から明るいオレンジ色、直径 2-4 mm.、時に 8 mm. に達するものもある。縁は全縁、外面は白っぽく、平滑。 柄は細く、普通は長さ 2-4 mm. 程度まで。基部は黒く、小さな子座が見られる。-- 子嚢は円筒形、先端はやや尖り頂孔はメルツァー液で青変する。8胞子を二列に生じる。135-178 × 9.5-12.0 μm. -- 側糸は糸状、ほとんど無色、隔壁があり直径 2.0 μm.、先端はやや膨らんで 3.5 μm. 程度。-- 子嚢胞子は長紡錘形、やや曲がるものが多く無色平滑。一列に油球を含む。31.4-38.7 × 3.8-5.6 μm. 両端には小さな無色の粘液状付属物がある。-- 托組織は髄層は無色の絡み合い菌組織、外被層はやや厚膜でガラス様な矩形菌組織よりなる。 縁部では先端がマッチ棒状に膨らんで直径 6 μm. 程度になる。

[コメント]
広葉樹の落枝から発生する。京都付近では夏から秋にかけて普通に見られる。比較的細い、半分地中に埋もれたような落枝から発生している事が多い。 樹種は特定できていないが、コナラ属 (Quercus) だと思われるものが多い。 落葉の下など、陰で発生した子実体はかなり淡色になる。大谷 (1990) は、葉片、葉柄、葉脈などからも発生すると記しているが私はまだ見たことが無い。 また、子実層面が "時に濃赤紫色を呈する" とも記していて、おそらく Dicephalospora huangshanica (Zhuang) Zhuang & Zeng (= Lanzia huangshanica Zhuang & Korf) 等の類似種と混同していたのだろうと思う。

[参考文献]
大谷 (1990): 日本産盤菌綱類雑記. (菌蕈研究所研究報告 ; 28, p. 251-265).
Spooner (1987): Helotiales of Australasia. (Bibliotheca mycologica ; Bd. 116).

[初掲載日: 2004.08.28, 最終更新日: 2021.07.07] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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