Erioscyphella lushanensis

Erioscyphella lushanensis

Erioscyphella lushanensis (Zhuang et Wang) Guatimosim et al. = Lachnum lushanense Zhuang et Wang
エリオスキフェラ ルシャネンシス。7月17日撮影。

[特徴]
ササの枯稈上に少数が散生する。子嚢盤は有柄、椀型からビョウ型に開く。子実層面は乳白色、平滑、縁はやや内屈する。直径 1.5 mm. まで。 外面は白色の地にバラ色の毛をややまばらに生じ、縁付近の毛は長く、密生する。柄は中心生、白色で表面にはバラ色の短毛がまばらに生じる。-- 子嚢は円筒形、薄壁、上端はやや円錐状に尖り、先端は肥厚して頂孔はメルツァー試薬で青変する。基部にかぎ形構造は見られない。8胞子をほぼ2列に生じる。60-63 × 4.6-6.0 μm. -- 側糸は太針状、下部に隔壁があり、子実層より 6-10 μm. 程度突出する。内容はほぼ一様で無色。最大径 1.4-2.0 μm. -- 子嚢胞子は長紡錘形でわずかに左右不対称、無色、薄壁、平滑。内容は油球がほぼ一列にまばらに並ぶが中心付近には油球は見られない。18.2-22.9 × 1.7-2.0 μm. -- 托組織髄層は径 2.5-3.0 μm. の無色薄壁の菌糸からなる絡み合い菌糸組織、 外皮層は厚さ 50 μm. 程度まで、15 × 5-8 μm. 程度の無色でやや厚膜の矩形菌糸組織からなる。 毛は外皮層の表面より生じ、ほぼ無色、やや厚膜、少数の隔壁がある。下部付近で径 2.5-3.4 μm.、先端は同幅あるいはやや膨らんで丸く、径 4.3 μm. までになる。 表面は全体に顆粒状で上半は濃赤色のやや大型の不定形ヤニ状の顆粒に覆われるが、下半の顆粒は細かく淡黄橙色からほぼ無色。縁部の毛で長さ 70-115 μm. になる。

[コメント]
枯れたササ類(種類不明)の稈に発生していた物。外面の毛が鮮やかなバラ色をしていて大変特徴的である。 赤い毛を持つヒナノチャワンタケ類は少なく、中国江西省庐山 (Lushan) から記録された Lachnum lushanense に子嚢胞子がやや長い点以外は形態的特徴がほぼ一致する。 この種は中国の亜熱帯から熱帯地方を中心に分布し、主にススキ類などの単子葉植物の茎上に生じるとされるが、竹類からの記録は無いようで同定には若干の疑問が残る。 最近、Guatimosim et al. (2016) によって Erioscyphella 属に移されている。

[参考文献]
Guatimosim et al. (2016): Novel fungi from an ancient niche: lachnoid and chalara-like fungi on ferns. (Mycological progress ; 15, p. 1239-1267).
Su et al. (2006): Two discomycetes (Hyaloscyphaceae, Lachnum) new to Taiwan. (Fung. sci. ; 21(1,2), p. 41-46).
Zhuang (1998): Discomycetes of tropical China. III. Hyaloscyphaceous fungi from tropical Guangxi. (Mycotaxon ; 69, p. 359-376).
Zhuang and Wang (1998): Some new species and new records of Discomycetes in China. VIII. (Mycotaxon ; 66, p. 429-438).
庄 (2004): 中国真菌志. 第21巻. 晶杯菌科・肉杯菌科・肉盤盘科.

[初掲載日: 2017.01.04]