Gnomonia megalocarpa

Gnomonia megalocarpa

Gnomonia megalocarpa (Hino & Katumoto) T. Kobayashi
グノモニア メガロカルパ。6月22日撮影。

[特徴]
子嚢殻は前年の落葉組織中に埋没して生じ、散生あるいはやや群生する。扁球形ないし饅頭形、直径 420-550 μm.、黒褐色。表面は径 7-20 μm. の黒褐色でやや厚膜の多角形細胞からなる。 頸部は落葉の上面側の表皮を破って突出して長く伸び、肉眼では剛毛状、ほぼ黒色、長さ 850-2700 μm.、基部付近で径 60-80 μm.、先端に向かって次第に細くなり、先端付近で 径 35-40 μm. 程度。 表面は径 4-5 μm. 程度の厚膜褐色で隔壁のある平行菌糸からなり、先端ではほとんど無色。非常に多くの子嚢を生じ、成熟した子嚢は子嚢殻内部に遊離し充満する。-- 子嚢は紡錘形、先端は肥厚して小さく突出し、末端は柄となって細く伸びて尾状、48-54 × 9.0-11.5 μm.。 先端リングは2個の点状、長さ 2 μm. 程度、メルツァー試薬に呈色しない。8胞子をやや不規則な束状に生じる。-- 側糸は認められない。-- 子嚢胞子は長紡錘形、無色、薄壁、平滑、直線状あるいはわずかに弓状になる。両端はやや尖り、成熟した子嚢胞子は中央に隔壁を生じて2細胞となり、隔壁部は括れない。 両端付近と隔壁近くに小さな油球が少数ある。付属糸や被膜は認められない。22.8-28.5 × 1.7-2.2 μm.

[コメント]
落葉はクヌギ (Quercus acutissima) だと思う。春から夏にかけて比較的普通に見られる。頸部の長さは変異が大きく、長いものは 3 mm. 近くに達する。 クヌギのしみ葉枯病菌 (Discogloeum sp.) はこの菌の不完全世代とされている。

[別図2] 6月24日撮影。

[参考文献]
Kobayashi (1970): Taxonomic studies of Japanese Diaporthaceae with special reference to their life-histories. (林業試験場研究報告 ; 226, p. 1-241).

[初掲載日: 2013.07.01, 最終更新日: 2020.05.25] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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