Helvella acetabulum

Helvella acetabulum

Helvella acetabulum (L.: Fr.) Quélet.
ウラスジチャワンタケ。4月26日撮影。

[特徴]
地上に単生あるいは群生する。 子嚢盤は初めは深い椀形で縁は強く内側に巻き全体が横から潰された様に歪む物が多く、後には開いてやや皿状になり、直径 3-8 cm.。 子実層面は茶褐色から灰褐色、時にやや紫色を帯びる。 縁はほぼ全縁、やや内屈し、小さく裂け粗い鋸歯状になる事も多い。 外面は無毛、縁付近は子実層面とほぼ同色で微粉状、基部に向って淡色で平滑になり、柄の近くでは殆んど白色になる。 柄は直径 1 cm. 程度、長さは変異が大きいが普通は 2-3 cm. 程度。乳白色で縦に畝状の隆起がある。 隆起は子嚢盤の下面に伸びて脈状に分岐しながら縁近くにまで達する。肉は薄く、比較的丈夫だが脆い。-- 子嚢は円筒形、薄壁、メルツァー液で呈色せず、先端には蓋があり基部は2叉状になる。8胞子を1列に生じる。266-350 × 15-20 μm. -- 側糸は糸状、隔壁がある。径 3 μm. 程度で先端はやや膨らんで 5.0-6.5 μm. になる。内容はほぼ一様で無色あるいは僅かに褐色を帯びる。-- 子嚢胞子は広楕円形、無色、平滑、大きな油球を一個含む。17.8-20.5 × 12.3-14.6 μm. -- 托髄層は密な絡み合い菌組織、直径 2.5-5.6 μm. の無色の菌糸からなる。 外皮層は厚さ 250 μm. 程度、髄層との境界はやや不明瞭、15 × 48 μm. 程度までの無色で角ばった球形ないし楕円形の細胞からなる。 表面には所々に 20-42 × 7.0-11.5 μm. の無色あるいは淡茶褐色の細胞がやや房状に立ち上がる。

[コメント]
春、広葉樹林内の地上に発生するが市街地の公園などでも時々見かける。色の変異が比較的大きいようだ。

[別図2] 4月27日撮影。
[別図3] 4月28日撮影。柄が殆んど無い子実体。

[参考文献]
Abbott and Currah (1997): The Helvellaceae: systematic revision and occurrence in northern and northwestern North America. (Mycotaxon ; 62, p. 1-125)

[初掲載日: 2004.07.25, 最終更新日: 2012.05.11]