Hypomyces subiculosus

Hypomyces subiculosus

Hypomyces subiculosus (Berk. & Curt.) von Höhnel. = Hypomyces trichothecoides Tubaki
多孔菌類の寄生菌。5月24日撮影。

[特徴]
古い "サルノコシカケ" 類の子実体表面に生じる。表面は橙色の菌糸で覆われ、子嚢殻がその中に散在あるいは群生する。-- 子嚢殻は小さな乳頭状の頚部がある亜球形や広楕円形、黄橙色。KOH水溶液で頚部の基部あたりを中心に赤紫色を呈する。直径 300-325 μm. -- 子嚢は多数、円筒形、先端はやや平たく、8胞子を一列に生じる。100-130 × 4.4-5.2 μm. -- 子嚢胞子は紡錘形、やや左右不対称、両端は尖って小さな突起状に伸びる。横に隔壁があり2細胞、隔壁部は少しくびれ上半の細胞の方がわずかに大きい。 表面は突起部分を除いて粗い疣状、内容物はほぼ無色の泡状あるいは少数の油球がある。14.8-17.2 × 3.7-4.6 μm. -- 寄主上、周辺部などに不完全世代が観察できる。分生子柄は高さ 90 μm. 程度まで、基部で径 3.5-4.6 μm.、先端で 2.0 μm. 程度。 先端から分生子を連鎖的に生じる。-- 分生子は円筒形、長倒卵形、棍棒形などで無色薄壁、ほぼ中央に隔壁があり2細胞、まれに1細胞あるいは3細胞。 9.8-20.4 × 4.5-5.9 μm.。各分生子は下半細胞の基部付近側面で連鎖して20個程度まで繋がる。

[コメント]
サルノコシカケ類の古い子実体に発生したもの。カワラタケ類などに発生しているのをよく見る。 多孔菌類についてはほとんど知識がないので種類はわからないが、様々なキノコに発生しており寄主範囲は広いようである。

[参考文献]
Rogerson and Samuels (1993): Polyporicolous species of Hypomyces. (Mycologia ; 85(2), p. 231-273).

[初掲載: 2008.06.16]