Iodophanus carneus

Iodophanus carneus

Iodophanus carneus (Pers.) Korf
 糞生のチャワンタケ類。4月27日撮影。

 [特徴]
 子実体は糞上に群生する。扁球形クッション状、ややオレンジ色を帯びた淡いサーモンピンク色。直径 0.5-1.5 mm.
 子実層表面は初めは平滑だが成熟すると子嚢先端が突出してざらついて見える。
 柄は無く、下面はほぼ平滑でやや淡色。
 子嚢はやや幅広い棍棒状、8胞子をほぼ2列に生じ、後には先端に固まる。170-200 × 25.4-32.6 μm.
 子嚢全体がヨードで薄く青変する。
 側糸は糸状、隔壁がある。径 4.0-6.0 μm. 先端は膨らんで 10 μm. までになり、細かい油滴を含む。
 胞子は楕円形、未熟時は厚壁だが後には薄壁になる。無色で目だった内容物は見られない。
 表面は細かい顆粒状の外被膜に覆われる。16.8-21.4 × 11.1-12.0 μm.

 4月9日に採集したシカの糞を湿らせて発生させたもの。発生頻度はそれほど多くないが分布は広いようである。
 参考書には胞子の被膜はカロース・ペクチン性、とある。

 [参考文献]
 Breitenbach and Kränzlin (1984): Fungi of Switzerland. vol. 1.
 Dennis (1981): British Ascomycetes. Rev. ed.
 Kimbrough, Luck-Allen and Cain (1969): Iodophanus, the Pezizeae segregate of Ascophanus (Pezizales). (American journal of botany ; 56. p. 1187-1202)