Lachnum sp. no.16

Lachnum sp. no.16

Lachnum sp. no.16
ヒナノチャワンタケ属菌。6月9日撮影。

[特徴]
子嚢盤は椀形から逆円錐形状に開くが、平開したものは観察できなかった。 直径 0.5-0.8 mm.、子実層面は乳白色、平滑、縁はやや内屈し、外面も白色で短毛が密生し、縁部の毛は長い。柄は比較的短く、半透明状乳白色。-- 子嚢は円筒形、基部にかぎ形構造は見られない。先端はやや円錐状に尖り、頂孔はメルツァー液で青変する。8胞子をほぼ2列に生じる。42-49 × 3.7-5.4 μm. -- 側糸は太槍形、先端はやや丸く、子実層からは殆んど突出しない。無色、薄壁、下半に隔壁があり、隔壁より下は急に細まるものがある。最大径 4.0-4.6 μm. -- 子嚢胞子は長楕円形ないし桿菌状、時にやや左右不対称、無色、薄壁、平滑、顕著な内容物は認められない。7.0-8.2 × 1.4-1.7 μm. -- 托髄層は無色薄壁の絡み合い菌組織、外被層は厚さ 15-30 μm.、丸みを帯びた矩形菌組織で 12-15 × 4-8 μm. 程度の無色薄壁の細胞からなる。 外面の毛は表面の細胞から生じ、無色、薄壁、2-3個の隔壁があり、表面は細かい疣状、先端は丸く、ほとんど膨らまず、顕著な内容物は認められない。 長さ 65-92 μm.、基部付近で径 3.4-4.0 μm.、先端付近で 4.5 μm. 程度。

[コメント]
流水脇の濡れた倒木(おそらく Quercus 属)の材部に群生していたもの。シロヒナノチャワンタケ (L. virgineum) に似ているが、微妙に異なっている。 シロヒナノチャワンタケには近似種がいくつかあって区別が難しい。

[初掲載日: 2019.12.06] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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