Monilinia kusanoi

Monilinia kusanoi

Monilinia kusanoi (Takahashi) Yamamoto
 サクラ幼果菌核病菌の完全世代。3月19日撮影。

 [特徴]
 子嚢盤は子座化したミイラ状のサクラの果実から一個ないし二個発生する。初め深い椀形で後にはほとんど平らに開く。
 子実層面は飴色ないし淡褐色。外面はほとんど平滑で同色。直径 3-12 mm.
 柄は径 1 mm. 程度で長さ 15 mm. 程度までになるが浅い所から発生したものは短くなる。
 子嚢は円筒形で 8 胞子を一列に生じる。頂孔は I+ (二本の短い線状に見える)。
 基部はやや急に細まり短い尾状になるものが多い。144-170 × 8.5-11.0 μm.
 側糸は糸状。下半に少数の隔壁がある。先端に向かってやや太まり、径 3.0-3.5 μm.
 子嚢胞子は長卵形、やや左右不対称。無色平滑で内容はほぼ一様。11.8-15.1 × 5.7-6.8 μm.

 ヤマザクラの樹下に発生したもの。幼梢や新葉などが冒されて萎凋するが、子嚢盤は開花より一足早く発生する。
 写真の子嚢盤右下にあるのがミイラ化したサクラの果実。

 [参考文献]
Harada (1977): 日本産 Monilinia 属菌に関する研究. (弘前大学農学部学術紀要 ; no. 27, p. 30-109)