Orbilia sp. no.11

Orbilia sp. no.11

Orbilia sp. no.11
オルビリア属菌。5月5日撮影。

[特徴]
子嚢盤は少数が群生する。やや深い椀状。子実層面は平滑で半透明乳白色、縁は低い鋸歯状、外面は微粉状で淡いオレンジ色を帯び、縁付近は比較的濃色。直径 1.5 mm. まで。柄はやや太く、半透明乳白色。-- 子嚢は棍棒形、8胞子をほぼ一列に生じる。先端はやや平ら、殆んど肥厚せず、メルツァー液で呈色しない。基部はやや大きく分岐しY字状になる。8胞子をほぼ2列に生じる。28.5-37.2 × 3.0-3.3 μm. -- 側糸は糸状、無色、基部で分岐し隔壁がある。基部付近で径 1.5 μm. 程度、先に向かってしだいに細まるが先端は球状に膨らんで径 2.2-2.5 μm. になり、先端には無色のヤニ状物を被る。-- 子嚢胞子は楕円形でやや左右不対称、無色、薄壁、平滑、2.5-2.9 × 0.8-0.9 μm.、一端に光屈折性の小さな内容物がある。-- 托組織髄層は長さ 40 μm. 程度までのソーセージ形の細胞が目立つ絡み合い菌糸組織、外皮層は厚さ 60 μm. 程度まで、径 9-20 μm. の無色薄壁の丸みを帯びた多角形の細胞よりなる。 縁部には互いに合着する短い毛状細胞がある。表面細胞から生じ 15-35 × 2.5-3.5 μm.、全体がややゼラチン質で先端は丸い。-- 子嚢盤周辺には Arthrobotrys 型の不完全世代がみられる。分生子柄は径 4-6 μm. 程度、隔壁があり、先端は拳状に膨らんで数個の小さな突起を生じ、突起上に分生子を生じる。 分生子は無色、薄壁、平滑、卵形ないし洋梨形、横に隔壁があり2細胞、隔壁部は僅かに括れ、先端細胞が大きい。 22.8-28.6 × 11.4-14.9 μm.

[コメント]
シイと思われる朽木に発生していたもの。周辺の Arthrobotrys 型のカビがこの菌のアナモルフであることを確認できてはいないが、 Arthrobotrys 属は Orbilia 属の代表的なアナモルフの一つなのでおそらく間違いないだろう。

[初掲載日: 2019.06.07] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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