Orbilia sp. no.15

Orbilia sp. no.15

Orbilia sp. no.15
オルビリア属菌。10月21日撮影。

[特徴]
朽木あるいは古い核菌類の子実体上に群生する。 子嚢盤は薄い皿型、全体が半透明、淡いピンク色あるいはわずかにバラ色を帯び、縁は薄く、低い鋸歯状、外面は平滑、やや広く基質に固着し、柄はほとんど無い。径 1 mm. まで。-- 子嚢は円筒形、先端はやや平たく、メルツァー試薬に呈色しない。8胞子を生じ、緩んだ縄状に並ぶが、配列の詳細を確認できなかった。下半は細長く伸びて屈曲し、末端は2叉状になる。22.5-25.8 × 2.3-2.5 μm. -- 側糸は糸状、径 1-1.5 μm.、基部に隔壁があり、先端は球状に膨らんで径 2.2 μm. までになり、無色のヤニ状物に被われ、互いに合着する。-- 子嚢胞子は細紡錘形、立体的ならせん状で、側面からは細長いS字状に見える。無色、薄壁、平滑、一端に明るい内容物がある。7 × 0.5 μm. 程度。-- 托組織は主に無色薄壁のやや角ばった径 20 μm. 程度までの細胞からなり、最外層の細胞は丸みを帯びた角形細胞で、縁部付近では径 4-6 μm. 程度。 縁には径 3 μm. 程度の円筒形の細胞があり、束になって幅 70 μm. 程度、高さ 17-25 μm. の広三角形の鋸歯となる。各細胞は合着して分離しがたい。

[コメント]
朽木上、核菌類と思われる黒くて古い炭質の子実体上やその周辺部に発生していたもの。series Hyalinia に該当する種だろう。

[参考文献]
Baral et al. (2020): Monograph of Orbiliomycetes (Ascomycota) based on vital taxonomy. pt. I + II. National Museum of Natural History Luxembourg, 1752 pp.

[初掲載日: 2023.09.15] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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