? sp. no. 6

? sp. no.6

? sp. no.6. (Hysteriaceous fungi)
ヒステリウム科菌。1月28日撮影。

[特徴]
ススキ枯稈上に群生する。子実体は表在生、ボート形から長円形のヒステリウム型、黒色、表面はややざらついた感じ、長さ 0.6-1.5 mm.、幅 0.2-0.25 mm.、高さは幅と同じかわずかに低い。 上面中央にほぼ全長に亘るスリット状の凹みがあり裂開するが、子実層は裸出しない。-- 子嚢は棍棒状、厚膜、先端は厚くなり盲管状の頂孔があり、基部は短い柄状になる。メルツァー試薬に呈色しない。8胞子を不規則な2列に生じる。66-75 × 16.5-20 μm. -- 偽側糸は糸状、無色、径 1.5 μm. 程度、少なくとも上半には隔壁は見られない。先端は不規則なこぶ状に膨らんで径 3 μm. までになる。-- 子嚢胞子は長紡錘形、両端はやや丸く、わずかに左右不対称、薄壁、平滑、始めは無色で中央に隔壁があり2細胞。後にほぼ等間隔に5隔壁を生じて6細胞になり、淡褐色。 隔壁部は僅かにくびれ、特に中央の隔壁は明瞭にくびれる。先端から3つめの細胞がわずかに大きく膨らむことがある。内容物は細かな泡状、後に不明瞭になる。 全体に厚い 1.5 μm. までになる被膜がある。37.2-43.0 × 6.6-8.0 μm.

[コメント]
ススキの枯稈上に発生したもの。Hysteriaceae の菌であることは間違いないと思う。 Boehm et al. (2009) の属までの検索表では Hysterium 属あるいは Oedohysterium 属にたどり着くけれども、種までの検索表では行き場を失ってしまう。 どちらの属の菌も主に材上生で、草本生のものは少ないようである。

[別図2] 1月28日撮影。

[参考文献]
Boehm et al. (2009): A molecular phylogenetic reappraisal of the Hysteriaceae, Mytilinidiaceae and Gloniaceae (Pleosporomycetidae, Dothideomycetes) with keyw to world species. (Studies in mycology ; 64, p. 49-83).

[初掲載日: 2017.06.09]