Peziza sp. no.10

Peziza sp. no.10

Peziza sp. no.10
 朽木生のチャワンタケ類。10月20日撮影。

 [特徴]
 子嚢盤は浅い椀形からほとんど円板状に開く。直径 25 mm. 程度までになる。
 子実層面は淡いベージュ色でわずかに紫色ないし桃色がかる。縁はほとんど全縁、外面はやや濃色の細かい糠状物が付く。
 中央に短い柄があり、基部付近には白い菌糸が広がる。肉質はかなり脆い。
 子嚢は円筒形、8胞子を一列に生じる。先端は有蓋で I+。143-178 × 8.5-10.0 μm.
 側糸は糸状、隔壁がある。内容は一様で無色。径 2.5-3.0 μm. 先端は膨らんで 6.0 μm. までになる。
 子嚢胞子は楕円形、無色薄壁で平滑。内容は一様。11.4-12.3 × 5.1-6.0 μm. 側面に無色球形の付属物がある。
 托組織髄層は球形細胞が目立つが中央付近には不明瞭な薄い錯綜菌組織がある。

 秋に地上の腐朽の進んだ朽木に発生する。朽木の種類はわからない事も多いが、
 これが発生している朽木は腕ぐらいの太さでねじれているものが多い。
 フジ (Wisteria floribunda) だと思うが、フジに限って発生するものかどうかは判らない。
 Peziza 属の中では比較的胞子が小型の種である。