Sarea resinae

Sarea resinae

Sarea resinae (Fr.) Kuntze.
サレア レシナエ。7月24日撮影。

[特徴]
子嚢盤は樹皮上に流出した古い樹脂上に散生あるいは少数が群生する。直径 0.5-1.5 mm.、肉厚の浅い椀状から平らに開き後には中央が凸形になる。 子実層面はややくすんだオレンジ色。縁は全縁で盛り上がる。外面も同色で平滑。柄はほとんど無く中央で基質に固着する。 肉質はやや硬い革質だが湿っている時はややゼラチン質になる。-- 子嚢は太い棍棒状、厚膜で特に頂部は厚くなるが中央には盲管状の頂孔があり膜全体がメルツァー液で濃く青変する。多数の子嚢胞子を含む。63-85 × 14.3-26.0 μm. -- 側糸は無色糸状、隔壁があり径 1.5-2.5 μm.、先端はやや膨らんで 3.5 μm. までになる。子嚢よりやや長く子実上層を形成し、先端付近は淡橙色のヤニ状物質に覆われる。-- 子嚢胞子は球形、無色で平滑、直径 2.0-2.7 μm. -- 托組織髄層は非常に密な絡み合い菌組織、径 2-3 μm. で厚膜、やや黄色味を帯びる。外皮層は判然としないが表面には側糸と同様の淡橙色の物質が付着する。

[コメント]
ヒノキなど針葉樹の樹脂上に発生し、ほぼ年中見られる。ヒノキ漏脂病の患部からも分離されるが病原性はほとんど無いらしい。

[別図2] 3月14日撮影。ヒノキの幹上、ヤニの上に群生していた物。

[参考文献]
Hawksworth and Sherwood (1981): A reassessment of three widespread resinicolous discomycetes. (Canadian journal of botany ; 59, p. 357-372).

[最終更新日: 2010.03.31]