Scutellinia sp. no.4

Scutellinia sp. no.4

Scutellinia? sp. no.4
 木屑の混じった湿った地上に群生していたチャワンタケ類。6月7日撮影。

 [特徴]
 子嚢盤は少数が群生する。平らな皿状で柄は無く、広く固着する。径 5-8 mm.
 子実層面は明るい橙赤色。縁には短い剛毛が密生する。外面はやや淡色でルーペ下ではまばらな短い毛がある。
 子嚢は円筒形で基部は急に細くなり2分する。8胞子を一列に生じる。197-220 × 18-20 μm.
 側糸は糸状、隔壁がある。径 3.0-5.0 μm. 先端は棍棒状に膨らんで 12 μm. までになる。
 ほぼ全体に赤い内容物があり、先端近くで分岐するものがある。
 子嚢胞子は楕円形で無色、内容物は泡状。20.0-22.9 × 11.5-14.8 μm.
 細かくて低い疣が全面にある。疣は互いに繋がることは無く、径 0.5 μm. までの不正形。
 高さは低く、片面短径に 15-20 個ほど認められる。
 縁部の剛毛は長さ 150-220 μm. で最大幅は 17-20 μm. ほとんど無色で隔壁があり厚膜。(3.5 μm. までになる。)
 先端は尖り、基部はやや細くなるが枝分かれはしない。先端が丸い根棒状の厚膜細胞も少し混じる。

 ヒノキ植林地伐採跡の木屑の混じった地表に群生していたもの。
 Scutellinia 属菌は一般に褐色厚膜の縁毛を持つが、これの剛毛はほぼ無色である。
 近似の Cheilymenia 属は一般に淡色の縁毛を持つので Cheilymenia sp. とすべきかもしれないが
 材生、胞子が粗面で内容物は泡状などの特徴は Scutellinia に近い印象を受ける。一応 Scutellinia? sp. としておく。