Stephanoma strigosum

Stephanoma strigosum

Stephanoma strigosum Wallrorh
ステファノマ ストリゴスム。7月27日撮影。

[特徴]
菌糸は寄主の子実層面上に広がる。初めは薄い粉状で白色、やがて全体が淡黄土色の厚い粉に覆われるがその頃には寄主の子実体は柔らかく崩れていく。 発生初期にはフィアロ型分生子が多く見られる。分生子は無色薄壁、長楕円形。6.5-12.0 × 3.4-5.5 μm. 隔壁があるものは見当たらなかった。 アレウロ型分生子は分岐した短い菌糸の先端に形成される。先端が球形に膨らんで隔壁ができ、 これを中心に半球形ないし饅頭形の細胞が 5-7 個付着したような形に発達する。 中心の細胞はやや角ばった球形で厚膜、内容は泡状で殆んど無色あるいは淡黄色。直径 14.2-17.6 μm.、周辺の細胞はやや薄壁、無色、直径 8.0-11.3 μm. 高さ 6.2-9.4 μm.

[コメント]
シロスズメノワン (Humaria hemisphaerica) に発生し比較的普通に見られる。 宇田川ほか著「菌類図鑑 下」(1978) には「盤菌類子実体上にみいだされる」とあるが、寄主はどうやらシロスズメノワンに限られるようである。→ [2018.07.30追記、[別図2]のコメントを参照]。 完全世代は Hypomyces stephanomatis Rogerson and Samuels であるがまだ見た事が無い。

[別図2] 7月14日撮影。Genea 属菌上に発生したもの。 Rogerson and Samuels (1985) には、検した標本はすべて H. hemisphaerica 上に生じたものとあり、 私もシロスズメノワン以外のチャワンタケに発生したものを採集したことがなかったし、常盤ら (2015) の報告もシロスズメノワン上からなので寄主特異性の強い菌だと思っていたが、 Humaria 属に近縁な Genea 属菌の子実体に発生しているものを採集できた。 フィアロ型分生子は大きさにばらつきがあり、大型の分生子は後に隔壁を生じて2細胞となるものがあるが、アレウロ型分生子はシロスズメノワン上のものと殆んど区別できない。

[参考文献]
Rogerson and Samuels (1985): Species of Hypomyces and Nectria occurring on Discomycetes. (Mycologia ; 77, p. 763-783)
常盤ら (2015): 日本産菌寄生菌 Hypomyces 属とそのアナモルフ V. Hypomyces stephanomatis および H. cervinigenus.(日本菌学会報 ; 56, p. 1-9).

[初掲載日: 2006.08.07, 最終更新日: 2018.07.30]