Stictis sp. no.1

Stictis sp. no.1

Stictis sp. no.1.
スティクティス類。10月3日撮影。

[特徴]
子実体は浅いつぼ状で材部に埋生し成熟すると縁部が裂片となってめくれて子実層面が現れる。直径 0.5-1.0 mm.、子実層面は平滑、赤みがかった飴色。 縁は立ち上がって王冠状になり10個以下程度の裂片となって反り返り、内側は白色粉状。-- 子嚢は長棍棒形、5.8-8.6 × 178-210 μm.、先端は肥厚し、メルツァー液で呈色しない。8胞子を束状に生じる。-- 側糸は糸状、径 1.5 μm. 程度、少数の隔壁があり、時に分岐する。先端は膨らまず不規則に曲がりくねって子実上層を形成し、メルツァー液で薄く青変する。-- 子嚢胞子は糸状、無色。1.6-2.8 × -180 μm.、両端は丸く下端はやや細い。 全体に 4-6 μm. 程度の間隔で隔壁があり、射出された子嚢胞子はわずかに屈曲し、中央付近で分節している胞子もある。

[コメント]
比較的新しい広葉樹の倒木の樹皮の無い部分に群生していたもの。Stictis radiata Pers. だろうか。Stictis 属は多くの種類があるが日本産の記録は少ないようだ。

[参考文献]
Sherwood (1977): The Ostropalen fungi. (Mycotaxon ; 5(1), p. 1-277).
Wedin, Döring and Gilenstam (2006): Stictis s. lat. (Ostropales, Ascomycota) in northern Scandinavia, with a key and notes on morphological variation in relation to lifestyle. (Mycological research ; 110, p. 773-789).

[最終更新日: 2013.01.04]