Stictis sp. no.4

Stictis sp. no.4

Stictis sp. no.4.
スティクティス類。1月2日撮影。

[特徴]
子実体は浅いつぼ状で樹皮下に生じ、成熟すると開口して縁部は樹皮を破ってめくれあがり子実層が現れ、直径 0.2-0.3 mm. 程度。 子実層面は飴色に見える。縁は比較的厚く、立ち上がって反り返り、浅い裂片状になるが時に不明瞭。内側は白色粉状。-- 子嚢は長円筒形、先端は肥厚し、メルツァー試薬で呈色しない。8胞子を束状に生じ、子嚢内では縄状に捩れる。177-208 × 7.0-10.3 μm. -- 側糸は糸状、径 1.0-1.5 μm. 程度、無色、隔壁は不明瞭。先端付近は所々で結節状に膨れて不規則に屈曲し、粘質の被膜で互いに合着し、細かい無色の結晶状の物質が付着する。-- 子嚢胞子は糸状、無色。全長を測定できた子嚢胞子は少ないが、子嚢とほぼ同長で 190-200 μm. 程度、径 1.0-1.4 μm.、細かい油球を含み、6-8 μm. 程度の間隔で隔壁がある。-- 組織中にメルツァー試薬で呈色する部分は無く、縁部は無色の絡み合い菌糸組織が目立つ。内面と組織中には径 20 μm. に達する無色で砂状ないし立方体状の結晶が多数付着する。

[コメント]
トゲのある落枝に発生していたもの。トゲはやや扁平で、枝表面には腺毛があるのでコジキイチゴ (Rubus sumatranus) だろうと思う。 Stictis 属は多くの種が記載されているが、国内での記録は少なく、種名がよく判らない。

[参考文献]
Sherwood (1977): The Ostropalean fungi. (Mycotaxon ; 5(1), p. 1-277).

[初掲載日: 2019.08.23] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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