Stictis sp. no.7

Stictis sp. no.7

Stictis sp. no.7
スティクティス属菌。7月19日撮影。

[特徴]
落葉裏面に発生する。子実体周辺部はわずかに漂白されているが不明瞭で、帯線は認められない。 表皮下に発生し、成熟すると上面の表皮が3-4片に裂けて反り返り、子実層が現れる。直径 0.5 mm. 以下。 裂けた上面の内側は灰白色粉状、子実層面は乳白色に見える。-- 子嚢は円筒形、薄壁、先端は殆んど肥厚せず、メルツァー試薬に呈色しない。8胞子を束状に生じる。 91-100 × 6.2-7.3 μm. -- 側糸は少なく、糸状、隔壁があり、分岐しない。基部付近で径 3.5 μm.、先端に向かって細くなり、径 1.5 μm. 程度、僅かに鞭状に屈曲する。 -- 子嚢胞子は糸状、無色、薄壁、両端は丸く、まばらに油球を含む。全体に薄い被膜があり、両端ではやや厚くなる。68-86 × 1.5-2.0 μm. -- 縁部内面と子実上層には径 15 μm. 程度までの無色で砂状の結晶が大量に付着する。

[コメント]
照葉樹林内、落葉の裏面に発生していたもの。落葉は全縁、無毛、厚ぼったく、両面ともつるりとしていて側脈は目立たない。サカキ (Cleyera japonica) だと思う。 反り返った子実体上面内側に無色の結晶が厚く付着する、子嚢胞子は糸状、などの特徴から Stictis 属だと思う。 古い子実体は(画像上方のもの)全体が黒っぽくなる。Stictis 属菌は樹皮上や枯枝上に比較的普通に見つかるが、落葉に発生するものは少ないようだ。

[初掲載日: 2021.08.06] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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