? sp. no.32

? sp. no.32

? (Pulvinula?) sp. no.32.
焼け跡に生えるよくわからないチャワンタケ類(Pulvinula 属?) 9月23日撮影。

[特徴]
子嚢盤は炭上に群生する。椀状から平らに開き、さらに子実層面が凸形になってクッション形になり直径 2-4 mm.。 子実層面は平滑、くすんだ淡ヤマブキ色から時にややピンク色を帯びる。 縁は全縁で剛毛などは見られない。外面は平滑でやや淡色、柄は無く、やや広く基質に固着する。肉質は柔らかい。-- 子嚢は円筒形、8胞子を一列に生じる。メルツァー液には呈色しない。基部は急に細まり虫垂状になるが叉状にはならない。17-20 × 191-229 μm. -- 側糸は糸状、径 2.5 μm. 程度、隔壁があり分岐する。先端は次第に膨らんで 4.0 μm. 程度になり、緩やかに曲がるものが多い。 先端の細胞にはほとんど無色の油球状の内容物があり先端付近の外面には無色の細かい結晶状の物質が付着する物がある。-- 子嚢胞子は球形、無色、平滑、直径 14.5-15.8 μm.、大きな油球が一つ含まれる。-- 托髄層は径 2.5-4.3 μm. の無色の菌糸からなる絡み合い菌組織、外皮層は厚さ 60 μm. 程度、やや丸みを帯びた径 15 μm. 程度までの無色薄壁の多角形細胞よりなる。

[コメント]
やや古いと思われる焚き火跡の炭上に群生していた物。最初 Sphaerosporella brunnea かと思ったが縁毛が全く見られない。 球形で平滑な胞子は Pulvinula を思わせるが、Pulvinula 属菌は普通は子嚢の基部が叉状になり胞子は少数の油球を含む種が多い。 側糸の特徴もやや異なるが、Pulvinula 以外に該当しそうな属を思いつかない。

[参考文献]
Pfister (1976): A synopsis of the genus Pulvinula. (Occasional papers of the Farlow Herbarium of Cryptogamic Botany ; no. 9, p. 1-19).

[初掲載日: 2011.11.01]