? sp. no.35

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朽木上の菌核から生じる小型ビョウタケ類。11月8日撮影。

[特徴]
朽ちた倒木材部表面の菌核様体から生じる。子実体は一つの菌核様体から数個から10個程度生じる。 子嚢盤は肉厚のビョウ形、直径 0.2-1.0 mm.、やや透明感のある白色、わずかにベージュ色を帯びる。 縁はほとんど全縁、わずかに鋸歯状になるものもある。外面も同色、平滑。柄はほとんど無い。-- 子嚢は円筒形、97.2-120 × 6.2-7.2 μm.、先端は肥厚するがメルツァー試薬に呈色せず、下半は細く伸びる。8胞子を一列に生じるが、後に上半は不規則な2列になる。-- 側糸は糸状、径 1 μm. 程度、時に分岐し、先端は丸く湾曲する。内容は無色で一様。-- 子嚢胞子は長楕円形、無色、平滑、8.3-14.3 × 2.2-2.8 μm.、両端近くに少数の泡状内容物がある。-- 托組織外皮層は丸みを帯びた径 6 μm. 程度までの無色の細胞からなる。ゼラチン化している部分は認められない。-- 菌核様体は細紡錘形、材表面に半ば埋没した様な状態で固着し 1-4 × 0.3-0.7 mm.、黒色、かなり堅く内部は淡褐色。

[コメント]
コナラと思われる倒木の材部表面の菌核様の塊から生じていた物。 菌核様体は朽木材に固着しているが比較的容易にはがすことができる。 内部はやや厚膜、淡褐色を帯びる直径 15-25 μm. の亜球形細胞からなり、細胞内には細かな泡状の内容物がまばらにある。 何かの菌核には間違いないと思うけれど、この盤菌の菌核なのか、他種の菌核に盤菌が寄生しているものなのかわからない。 キンカクキン類には類似のものが見当たらず、それ以外にも該当しそうな属を思いつかない。

[初掲載日: 2014.12.12]