? sp. no.42

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よくわからない盤菌類。4月16日撮影。

[特徴]
草本性の枯茎に群生する。初めは表皮下に発達し、やがて表皮を破って表面に現れて盛り上がる。茎に添って伸びる長楕円型クッション状、淡バラ色ないし淡ピンク色で湿時は透明感がある。 縁は僅かに濃色に縁どられているように見える。柄は無く基質に広く固着し、肉質は柔らかい。0.8 × 0.4 mm.、厚さは 150 μm. 程度まで。-- 子嚢は棍棒形、薄壁、先端は肥厚し、頂孔はメルツァー試薬で青変し、やや広く染まる。基部にはかぎ形構造がある。8胞子をほぼ2列に生じる。 60-80 × 10.0-12.9 μm. -- 側糸は糸状、無色、隔壁があり、時に分岐する。径 1.0-1.2 μm.、先端は棍棒状に膨らんで径 4 μm. までになる。上部は粘質の被膜に薄く覆われ、表面には淡赤褐色の顆粒状物質が付着する。-- 子嚢胞子は細楕円形ないし両端のまるい紡錘形で時に左右不対称、無色、薄壁、平滑、両端付近に少量の泡状の内容物がある。18.6-22.9 × 3.4-5.2 μm. -- 子実体基底部付近の組織は径 2.5-4.0 μm. 程度のほぼ無色で薄壁の丸みを帯びた細胞からなり、表面細胞の間には淡赤褐色の細かい顆粒状物質がある。

[コメント]
遊歩道法面の草むら中の枯茎片に発生していたもの。枯茎は麦藁のような感じの中空で、周辺の植物と比較したが何の枯茎なのかはっきりしない。 シダ類も多く生えていて、シダの葉柄に似ている気もする。 表皮下から生じる赤色系の子実体、アミロイドの子嚢、無色単細胞の子嚢胞子、といった特徴から、Calloriaceae、Naeviopsis あたりだろうか。

[別図2] 4月16日撮影。濡れた状態。

[参考文献]
Hein (1976): Revision der Gattung Laetinaevia Nannf. (Ascomycetes) und Neuordnung der Naevioideae. (Willdenowia ; Beiheft 9).
Nauta and Spooner (1999): British Dermateaceae: 2. Naevioideae. (Mycologist ; 13(2), p. 65-69).

[初掲載日: 2019.07.02] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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