? sp. no.54

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よくわからない盤菌類。10月6日撮影。

[特徴]
落葉の葉脈上に発生する。子嚢盤は椀状からほぼ平らに開き、径 1.5-3 mm.、子実層面はワイン色を帯びた暗褐色、縁はわずかに立ち上がって内屈し、微細な鋸歯状、外面は淡赤褐色、やや粗い微毛状。 柄は基部に向かってやや濃色、微毛状。-- 子嚢は円筒形、薄壁、先端は肥厚し、頂孔はメルツァー試薬で青変する。基部にはかぎ形構造がある。8胞子をほぼ2列に生じる。91-120 × 8.5-11.5 μm. -- 側糸は糸状、基部付近で分岐し、隔壁がある。径 1.5 μm. 程度、先端に向かってやや太まり、径 3-4 μm. になる。上半には淡紫褐色の一様な内容物がある。 有色の側糸に混じって 径 2.0-2.5 μm.、内容物が無色の側糸が少数混在する。-- 子嚢胞子はわずかに湾曲した長楕円形ないし太ソーセージ形で末端側が時にわずかに細く、無色、薄壁、平滑、2-4個の大きな油球が目立つ。 無隔壁だが後に1あるいは2個の隔壁を生じて2あるいは3細胞になる。被膜は認められない。発芽様式は未確認。13.7-17.8 × 4.6-5.7 μm. -- 托組織髄層は無色薄壁、隔壁部が括れる径 4-9 μm. 程度の分岐のある菌糸からなる絡み合い菌組織。 外皮層は厚さ 80-100 μm.、内側は厚膜、ゼラチン化したやや平行に走る菌糸からなり、外半の細胞はほぼ無色で丸みを帯びた矩形状、20 × 12 μm. 程度まで、 表面には径 4 μm. 程度の菌糸の層があり、時に房状に集まって盛り上がる。

[コメント]
アベマキ (Quercus variabilis) の落葉に発生していたもの。子実体の基部には不明瞭な子座化した組織があるようだが、詳細を確認できなかった。Poculum 属あたりかと思う。 Poculum petiolorum (= Rutstroemia periolorum) ではなさそうだ。

[別図2] 同日撮影。外面。

[参考文献]
White (1941): A monograph of the genus Rutstroemia (Discomycetes). (Lloydia ; 4(3). p. 153-240).

[初掲載日: 2021.09.03] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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