? sp. no.56

? sp. no.56

? sp. no.56
よくわからない盤菌類。2月9日撮影。

[特徴]
樹皮上に群生する。子実体は表面生、時に少数が束生状に発生し、肉厚短柄の釘形あるいは倒円錐形状、全体が黒褐色、つやは無く、無毛。径 400 μm. 程度、高さ 500 μm. 程度までで、基部はやや括れる。 子実層面は平滑、縁は全縁、全体がやや硬い革質で、湿時には少し軟らかくなるが、ゼラチン質ではない。-- 子嚢は細い紡錘形、やや厚膜、先端は丸く、肥厚せず、メルツァー試薬に呈色しない。下半は細長く伸び、かぎ形構造がある。8胞子を不規則な2列に生じる。 151-192 × 13.8-22.9 μm. -- 側糸は糸状、隔壁があり、径 1.3-2.0 μm.、内容はほぼ無色で一様、上部で複数回分岐し、やや屈曲する。先端部は淡褐色の物質に被われる。-- 子嚢胞子は長紡錘形、無色のち淡褐色、平滑、薄壁、先端は僅かに左右不対称、下半は細く伸びる。幼時は油球を一列に含み、後には横に多数の隔壁を生じる。67.2-88.7 × 5.4-6.0 μm.、 両端には長さ 17-45 μm. の鞭状の付属糸があるが、脱落しやすく、成熟胞子では確認できない場合が多い。-- 托組織髄層は絡み合い菌糸組織、外皮層は厚さ 60 μm. 程度まで、径 4-6 μm. の細胞がやや柵状に並び、表面は暗褐色のヤニ状物に被われる。

[コメント]
伐採されたアカマツ (Pinus densiflora) の朽木樹皮上に発生していたもの。採集した時は Pragmopora 属あたりか、と思ったが違うようだ。 子嚢胞子両端に付属糸を持つ点が特徴的で、同様の特徴を持つ菌に Waltonia 属があるが、他の特徴が一致せず、該当しそうな属を思いつかない。 春には子実体は消失していたが、主な発生時期が冬なのかどうかはわからない。

[初掲載日: 2022.08.24] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
All rights reserved. Copyrighted by Masanori Kutsuna, 2022.