Xylaria cubensis

Xylaria cubensis

Xylaria cubensis (Mont.) Fr.
コブリマメザヤタケ。7月16日撮影。

[特徴]
子実体は子嚢殻を生じる頭部と柄からなる。頭部は円筒形ないし棍棒状、2.5-5.0 cm. × 5-10 mm.、先端は丸く、表面は鈍い赤銅色から後には黒褐色になり、 殆んど平滑で細かいひび割れがやや網目状に生じる。全体に子嚢殻の孔口が黒点状に見えるが殆んど突出しない。 内部は白色、時に中心部は淡褐色の髄状になり、また中空になる事もある。 柄は頭部に比べて短く、直径 5 mm. 程度、頭部と同色、ほぼ平滑で無毛だが基部にはフエルト状の黒褐色の菌糸がある。-- 子嚢殻は頭部表面下に一層に並び、ほぼ球形、直径 420-520 μm. -- 子嚢は長い柄のある円筒形、8胞子を1列に生じる。105-135 × 5.7-8.6 μm.、先端リングはメルツァー液で筒状に青変し長さ 2.5 μm. 程度。-- 側糸は無色の長い鞭状。-- 子嚢胞子は左右不対称の楕円形、平滑、黒褐色。初めは2油球が目立つが、成熟後は目立たない。発芽スリットは観察できない。8.2-9.5 × 3.8-4.8 μm. -- 春、不完全世代の子実体が発生する。高さ 5-15 mm.、頭部は球状、直径 5-8 mm.、細かい花びら状の突起が密生しクリーム色から淡ピンク色。 多量の分生子を生じる。柄は円柱状、基部付近は黒い。-- 分生子は長卵形、無色、薄壁。少量の泡状の内容物がある。3.4-4.6 × 1.7-2.0 μm.

[コメント]
倒木(主に広葉樹と思われる)に発生する。子嚢胞子にはマメザヤタケ類に顕著な発芽スリットが見られない。 不完全世代の子実体 (Xylocoremium flabelliforme) はカーネーションの花のような形をしていて小型だけれど良く目立つ。

[別図2] 不完全世代。5月25日撮影。

[参考文献]
Nagasawa (1988): Notes on four species of Xylariaceae. (菌蕈研究所研究報告 ; 26, p. 6-14).
Rogers (1984): Xylaria cubensis and its anamorph Xylocoremium flabelliforme, Xylaria allantoidea, and Xylaria poitei in continental United States. (Mycologia ; 76(5), p. 912-923).

[初掲載日: 2011.08.08, 最終更新日: 2013.06.01]