Albugo candida

Albugo candida

Albugo candida s.lat.
ナズナ白さび病菌。5月10日撮影。

[特徴]
遊走子嚢堆は寄主の葉、茎、花柄、果実の表皮下に形成され、白色で円形ないし楕円形の水ぶくれ状、径 1-3 mm.、融合してさらに大きくなるものもある。 成熟すると破れて白色粉状の胞子嚢が現れる。-- 遊走子嚢柄は一列に並び、棍棒状あるいは先端の丸い円筒形、ほとんど無色、下半はやや厚膜、34-43 × 9-12 μm. -- 遊走子嚢は求心的に形成され、少数が連鎖する。球形ないし亜球形、無色、薄壁、平滑、径 16.6-20.3 μm.、遊走子は未確認。-- 肥大化した寄主組織中に卵胞子が形成される。 卵胞子は球形ないし亜球形、黄褐色、厚膜、粗い疣状突起があり金平糖状、突起は時に融合するが網目状にはならず、径 4-6 μm., 先端は平らで高さ 2.8-4 μm.。突起を含めて径 37-52 μm.

[コメント]
路傍のナズナ (Capsella bursa-pastoris) に発生したもの。 日本植物病名目録 (2020年1月版. 日本植物病理学会編, 2020) には、ナズナ類の白さび病として Albugo macrospora を挙げる (p. 279) 一方、 ダイコンの白さび病として同菌 (p. 287) をあげ、備考には 「古く用いられていた Albugo candida はナズナなどを侵すもので、ダイコン、ナタネなどを侵す本菌とは異なる」 としている。 従来 Albugo candida とされていたものは複数種に細分されているが、日本のナズナに発生する菌についての最新の研究を知らないので、ここでは広義の Albugo candida としておく。

[別図2] 4月21日撮影。花柄に発生した遊走子嚢堆。

[参考文献]
Choi et al. (2011): Three new phylogenetic lineages are the closest relatives of the widespread species Albugo candida. (Fungal biology ; 115, p. 598-607).
鍵和田 他 (2009): アブラナ科植物に寄生する白さび病菌の分子系統解析 (日本植物病理学会報 ; 75(1). 関東部会講演要旨, p. 46).

[初掲載日: 2020.06.08, 最終更新日: 2022.05.27] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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