Asterina aucubae
Asterina aucubae Henn.
アオキ星形すす病菌。4月15日撮影。
[特徴]
アオキの葉表面に発生する。表面にほぼ円形の直径 5 mm. 程度の黒斑状に拡がるが、互いに融合して雲形になり葉の表面をほぼ全面覆うことも多い。
菌糸は葉面に広がり、黒褐色厚膜、径 3-4 μm.、分岐し、隔壁がある。側面に菌足がある。
菌足は単細胞、楕円ないし豆形、黒褐色厚膜、長径 8.5-11.4 μm.、長径の側面が菌糸に付着したような形に発達する。剛毛などは見られない。--
子嚢子座は菌叢内に群生する。円形で扁平な楯状で、直径 140-186 μm.、黒褐色、表面はほぼ平滑、放射状に並ぶ褐色厚膜の菌糸状の細胞からなる。
孔口は見られず、成熟すると上面が星形に裂開して子嚢が現れる。--
子嚢は卵形、厚膜、短柄がある。8胞子を生じる。48-55 × 28-38 μm. --
子嚢胞子は楕円形、中央あるいはやや下よりに隔壁があり2細胞、上半の細胞がやや太く、隔壁部は少しくびれる。
表面は平滑でやや褐色を帯び、各細胞には1つの大きな油球が目立つ。25.6-28.9 × 10.5-11.6 μm.
[コメント]
アオキ (Aucuba japonica) の葉表面に普通に見られる。秋から冬にかけても黒い病斑は良く目立つが成熟するのは春のようである。
[参考文献]
Katumoto (1975): The Hemisphaeriales in Japan. (山口大学農学部学術報告 ; 26, p. 45-122).
[初掲載日: 2012.04.25]