Ciboria shiraiana
Ciboria shiraiana (Henn.) Whetzel.
キツネノワン。4月22日撮影。
[特徴]
ミイラ化したクワの果実から数個から十個程度生じる。子嚢盤は有柄、やや深い椀形で平開することは少ない。直径 5-15 mm.、飴色から淡褐色。
縁はほぼ全縁、外面はほとんど平滑ないしやや皺状で粉状になるものもある。
柄もほぼ同色、直径 2 mm. 程度、長いものでは 5 cm. を超える。基部付近から放射状に菌糸束を伸ばすことがある。--
子嚢は円筒形、8胞子をほぼ一列に生じる。頂孔はメルツァー液で青変する。163-213 × 10.5-11.8 μm. --
側糸は糸状、少数の隔壁がありほぼ上下同幅で無色。径 2.0 μm. 程度。--
子嚢胞子は卵形ないし楕円形でやや左右不対称。無色薄壁で平滑。両端近くに少数の泡状内容物がある。12.0-16.2 × 7.0-8.3 μm. --
托外被層はほぼ無色ないし淡褐色の球形細胞からなり、髄層は絡み合い菌組織からなる。
[コメント]
落下してミイラ状に菌核化したクワの実から春に発生する。クワの樹下に時に大発生しているのを見ることがある。
菌核化したクワの実は冬の間は比較的硬く木質だが春になると急にゴム状に柔らかくなって子実体を発生させる。
[別図2]
4月28日撮影。菌核化したクワの実が地表に露出しているので柄が非常に短い。
[別図3]
4月1日撮影。冬の間に採集した菌核を湿った砂の上において発生させたもの。室内に置いていた為だろうか、やたら柄がひょろ長く子嚢盤も小さくて平たいものになったが顕微鏡的特徴は変わらない。
[参考文献]
Spooner (1987): Helotiales of Australasia: Geoglossaceae, Orbiliaceae, Sclerotiniaceae, Hyaloscyphaceae. (Bibliotheca mycologica ; Bd. 116)
[最終更新日: 2011.12.08]