Ciboria sp. no.3
Ciboria sp. no.3
キボリア属菌。5月23日撮影。
[特徴]
植物遺体上に発生する。子嚢盤は有柄、初め椀形、のち平開し、直径 3-6 mm. 程度。
子実層面は紫灰褐色、平滑。 縁は全縁、外面は平滑、僅かに暗色、柄は短く、ほとんど黒褐色。--
子嚢は円筒形、先端は肥厚し頂孔はメルツァー試薬で青変し、基部にかぎ形構造は見られない。8胞子を一列に生じる。71-80 × 6.0-6.8 μm. --
側糸は糸状、隔壁があり、無色、殆んど上下同幅、径 2-3 μm. --
子嚢胞子は長楕円形、無色、薄壁。 8.0-9.2 × 2.3-2.8 μm.、両端に小さな油球を含むものが多い。薄い外被膜がある。--
子実下層は僅かに紫褐色を帯びる。托組織髄層はやや平行に走る径 2-6 μm. の菌糸からなる絡み合い菌組織で、所々に丸いヤニ状の無色の物質が付着する。
外皮層は厚さ 60-100 μm. 程度、径 5-12 μm. の無色あるいは僅かに褐色を帯びる球形細胞からなる。
柄表面は淡褐色、20-25 × 8-15 μm. 程度の矩形状細胞からなり、表面細胞からは径 3 μm. 程の毛状菌糸がまばらに立ち上がり、長さは 10 μm. 程度。
[コメント]
雑木林地上の黒変した植物遺体上に発生していたもの。Ciboria 属菌だと思う。
植物遺体は、 黒褐色で子座化しているように見え、大きさ 4 × 3 cm. 程で厚みは 5 mm. 程、丸まった状態で柔軟な革質、外面はしわが多く、内面は平滑。
一見樹皮のようにも見えるが、付近の樹木を見回しても該当しそうなものが見当たらない。肉眼的な特徴や感触はアケビタケの発生した子座化したアケビの果皮に似ている。
[初掲載日: 2020.09.11] //
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