Cistella acuum

Cistella acuum

Cistella acuum (Alb. & Schwein.) Svrček
キステラ アクウム。6月17日撮影。

[特徴]
スギの落葉に群生する。子嚢盤は浅い椀形からほぼ平らに開き、子実層面は白色、径 0.3-0.5 mm.、縁は微毛状、外面も白色、ルーペ下では微粉状、柄も白色、比較的細く短い。-- 子嚢は棍棒形、薄壁、先端は僅かに肥厚し、頂孔はメルツァー試薬で青変する。基部にはかぎ形構造がある。8胞子をほぼ2列に生じる。26-30 × 3.7-4.3 μm. -- 側糸は糸状、無色、先端はやや細まり、僅かに尖る。内容はほぼ一様、少なくとも上半には分岐は無く、基部以外に隔壁は認められない。径 2 μm. -- 子嚢胞子は細楕円形で、末端側がやや細まるものが多い。無色、薄壁、平滑。両端付近に小さな油球がある。3.5-4.5 × 1-1.4 μm. -- 托構造の詳細は観察できなかったが、ゼラチン化は見られない。表面の細胞は矩形状、径 5-7 μm. 程度、長さ 15 μm. 程度までで、毛状菌糸が立ち上がる。 毛状菌糸は長さ 17-20 μm. 程度、無色、薄壁、隔壁は少数、先端は僅かに丸く膨らんで棍棒状、基部付近以外のほぼ全体が細かい顆粒状の粗面で、特に先端付近では顕著。

[コメント]
スギ (Cryptomeria japonica) の落葉(野積みされた伐採枝)に群生していたもの。ヨーロッパではマツ属 (Pinus)、モミ属 (Abies)、トウヒ属 (Picea) の落葉から記録されていて、 Wu (2005) は、台湾のスギ落葉上から Clavidisculum acuum (Alb. & Schwein.) Kirschst. として報告している。 京都産のものは子嚢胞子がやや小さめだが、それ以外の特徴は良く一致する。

[参考文献]
Raitviir (2004): Revised synopsis of the Hyaloscyphaceae. (Scripta mycologica ; 20).
Wu (2005): Clavidisculum acuum, a new record of discomycetes from Taiwan. (Fungal science ; 20(3-4), p. 93-97).

[初掲載日: 2019.04.08] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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