Cistella sp. no.3
Cistella sp. no.3
キステラ属菌。5月14日撮影。
[特徴]
落枝に散生する。子嚢盤はやや深い皿状から椀状、径 0.5 mm. まで。子実層面は淡灰色、縁はわずかに立ち上がって粗毛状で白色、外面はややくすんだ白色、ルーペ下では微毛状に見える。柄はほとんど無い。--
子嚢は棍棒形ないし円筒形、先端は僅かに突出して肥厚し、頂孔はメルツァー試薬で青変する。基部にはかぎ型構造がある。8胞子をほぼ2列に生じる。48-53 × 7.7-8.6 μm. --
側糸は糸状、無色、薄壁、分岐と隔壁があり、先端は僅かに細まる。顕著な内容物は見られない。径 1.2-1.5 μm. --
子嚢胞子は長円形ないし桿菌状で時にやや左右不対称、無色、薄壁、平滑、中央付近に少量の油球がある。7.4-9.1 × 2.4-3 μm.
托組織髄層は丸みを帯びた細長い細胞からなる無色の絡み合い菌組織で、外皮層付近ではやや平行に走る。外皮層は丸みを帯びた無色で薄壁の径 5-12 μm. の多角形細胞からなる。
外面縁部の毛は表面細胞から立ち上がり、円筒形ないし長嚢状で先端は丸いが膨らまず、無色、薄壁、基部付近以外の表面は微疣状、顕著な内容物は見られない。40-63 × 5.7-8.6 μm.
[コメント]
コゴメウツギ (Neillia incisa) の落枝に発生したもの。Raitviir (2004) の検索表では Cistella crassipila (Raitv.) Raitv. に落ちるが、やや黄褐色を帯びる菌のようなので別種だろう。
その後に記載された種にも合致しそうなものが見当たらない。
[参考文献]
Raitviir (2004): Revised synopsis of the Hyaloscyphaceae. (Scripta mycologica ; 20).
[初掲載日: 2024.08.15] //
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