Coccomyces sp. no.13
Coccomyces sp. no.13
コッコミケス属菌。7月21日撮影。
[特徴]
サカキの落葉の裏面に発生する。子実体周辺は脱色して淡黄褐色、境界部は幅広くわずかに濃く褐変するが、帯線は認められない。子実体周囲には精子殻が多く形成される。
子実体はクチクラ下に形成され、丸みを帯びた3角形(時に4角形)で径 1.2 mm. 程度まで、殻皮は黒色でツヤがある。後に上面が放射状に裂開して反転し、子実層を露出する。
子実層は僅かに凸形に盛り上がりややロウ質、半透明で僅かに黄色味を帯び、暗色の子実下層が透けて肉眼では淡緑褐色あるいはくすんだオリーブ色に見える。--
子嚢は長円筒形、基部はややくびれて末端はわずかに膨らむものが多い。先端は殆んど肥厚せず、メルツァー液に呈色しない。8胞子を束状に生じる。155-195 × 6.6-8 μm. --
側糸は糸状、隔壁があり、径 2 μm. 程度、先端は棍棒状に膨らんで 2.8-3.5 μm.、上半は淡黄色の油球を含む。全体がゼラチン質の無色の被膜に包まれ、互いに合着する。--
子嚢胞子は糸状、無色、薄壁、平滑、射出された子嚢胞子は緩やかに湾曲する。先端は丸く、末端は細くなってやや尖る。全体が薄い被膜に包まれ、先端部では径 2-2.4 μm. までに厚くなりキャップ状に見える。82-97 × ±1.0 μm. --
子座底面は径 5-8 μm. の黒褐色の多角形細胞が2-3層に並ぶ。--
精子殻は黒褐色点状、径 0.1-0.2 mm. 程度。構造の詳細や不動精子を確認できていない。
[コメント]
サカキ (Cleyera japonica) の落葉に発生する。同様にサカキ上に発生する
Coccomyces sp. no.10
とは顕微鏡的特徴では明瞭な相違点を認めにくい。子実体がやや大型で、帯線が見られない点が異なるので区別しておく。
[初掲載日: 2024.02.11] //
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