Coccomyces sp. no.4
Coccomyces sp. no.4.
シキミ落葉上のコッコミケス属菌。8月31日撮影。
[特徴]
シキミの落葉裏面に発生する。落葉上の白く抜けた病斑内に群生する。病斑周囲に帯線は認められない。
子実体は表皮細胞下に形成され殻皮は褐色、丸みを帯びた3-5角形で径 0.5-0.7 mm. 程度。
後に上面が放射状に裂開して反転し、ややオリーブ色を帯びた半透明黄褐色の子実層を露出する。子実層は凸形に盛り上がりロウ質でやや硬い。--
子嚢は長円筒形、8胞子を束状に生じる。基部はややくびれて末端は楕円形に膨らむものが多い。メルツァー液に呈色しない。134-143 × 6.5-7.5 μm. --
側糸は糸状、基部付近には隔壁があり径 2.5-4.0 μm.、淡黄色の一様な内容物を含む。先端は棍棒状にふくらんで 5.2 μm. までになり、
無色あるいはわずかに黄色っぽく見えるゼラチン状物質に包まれ、互いに合着する。--
子嚢胞子は糸状、無色、射出された胞子は緩やかに曲がって弓形になる。先端は丸く、末端はやや尖る。
薄い被膜に包まれるが、先端部では厚くなりキャップ状に見える。 85-100 × 0.8-1.0 μm.
[コメント]
シキミ (Illicium anisatum) 落葉上に発生するもの。初夏から秋にかけて比較的普通に見られる。
[初掲載: 2008.10.08]