Coccomyces sp. no.5
Coccomyces sp. no.5.
シロダモ落葉上のコッコミケス属菌。9月18日撮影。
[特徴]
落葉の主に表側に発生する。子実体周辺の落葉は白っぽくなり境界は黒い帯線に囲まれ、その中に 10-30 個程度の子実体が散生する。
子実体は表皮下に形成され、 径 1 mm. 程度、三角形の物が多いが四角形の物も見られる。上面はややつやのある黒色。
成熟すると上面が裂開して灰色、ロウ状の子実層が現れるが乾燥すると再度閉じる。--
子嚢は長い柄のある棍棒形、先端は肥厚しメルツァー液で呈色しない。8胞子を束状あるいは不規則な2段に生じる。108-138 × 10.0-11.5 μm. --
側糸は糸状、まばらに隔壁があり径 2.0-2.5 μm.、先端は次第に膨らんで 3.5 μm. 程度になる。一様で無色の内容物がある。互いに合着するが比較的離れやすい。--
子嚢胞子は糸状、緩やかに曲がり末端はやや尖る。内容物は細かい泡状、40-50 × 1.5-2.0 μm.、全体が薄いゼラチン状の鞘に包まれる。
[コメント]
発生していた落葉は全縁で3脈が目立ち葉柄が長いのでシロダモ (Neolitsea sericea) だと思われる。
子実体周辺には小さな盤状の分生子殻のようなものが見られるが分生子は確認できなかった。
採集時は乾いていたので、湿らせて子実層を開かせた状態が(2)の写真。
[別図2]
9月20日撮影。
[初掲載: 2009.11.06]