Colpoma guadueticola
Colpoma guadueticola Raymundo, Soto-Agudelo & R. Valenz.
コルポマ グアドゥエティコラ。8月19日撮影。
[特徴]
枯れたササ稈に群生する。子実体は表皮細胞下に形成され、初めは盛り上がった太線状で両端は細まり、表皮下の黒褐色の組織が薄黒く透けて見える。
のち上面中央が線状に裂開して反り返り子実層が現れる。普通は枝の縦方向に長く、幅 0.8-1.0 mm.、長さ 6 mm. に達する。
子実層面は平滑、淡黄色、湿時は膨潤して盛り上がる。縁は小さく反り返って襟状、黒褐色。--
子嚢は長円筒形、薄壁、下半は細く伸び基部にはかぎ形構造がある。先端はやや円錐状、頂孔はメルツァー試薬に呈色しない。
8胞子を束状に生じる。140-176 × 6.8-8.0 μm. --
側糸は糸状、隔壁は不明瞭、径 1-2 μm. 程度、子嚢よりやや長く、先端付近で分岐し、先端は不規則に膨らんで瘤状あるいは数珠状、時に屈曲し径 4.5 μm. までになる。
先端付近には一様な淡黄色の内容物がある。--
子嚢胞子は糸状、無色、両端はやや細まり、隔壁は認められない。
射出された子嚢胞子は緩やかに曲がり、まばらに泡状の内容物を含む。70-90 × 0.8-1.2 μm.、被膜は確認できない。--
縁部の組織の詳細を確認できなかったが、黒褐色で厚膜の多角形細胞よりなり、子実下層は黒褐色。
[コメント]
枯れたササ稈に発生していた物。夏頃、ササ藪の枯れた根際や堆積した枯稈上に発生し、雨上がりに膨らんだ黄色の子実層はよく目立つ。
Colpoma 属には間違いないだろうと思うものの、単子葉類に発生する Colpoma 属菌の記録が見当たらず、ずっと不明種扱いしていたが、
コロンビアで Guadua angustifolia(新大陸のタケ類)から記載された Colpoma guadueticola に良く一致する。
新大陸の熱帯地方と日本、というかけ離れた分布に疑問はあるが、とりあえずこの学名で整理しておく。
[別図2]
同日撮影。雨に濡れて子実層が膨れた状態のもの。
[参考文献]
Raymundo et al. (2017): Colpoma guadueticola sp. nov. in a guadual forest from Quindio Department, Colombia. (Mycotaxon ; 132, p. 819-829).
[初掲載日: 2018.02.09]