Coprotus glaucellus
Coprotus glaucellus (Rehm) Kimbrough
コプロトゥス グラウケルス。6月21日撮影。
[特徴]
糞上に少数が散生ないしやや群生する。子実体は肉厚のクッション状で径 1-2 mm.、全体が乳白色から淡黄色、後には淡ベージュ色を帯びる。
子実層面はやや凸型、縁は全縁で盛り上がらず、外面は平滑で無毛。柄はほとんど無く、下面で広く基質に固着する。肉質は軟らかい。--
子嚢は円筒形、先端は丸く、有蓋、メルツァー試薬に呈色しない。8胞子を一列に生じるが、後には不規則な2列になって先端付近に固まるものが多い。56-63 × 5.7-7.7 μm. --
側糸は糸状、無色、隔壁があり、径 1-1.5 μm.、無色で顆粒状の内容物が僅かにあり、先端はほぼ同幅あるいは僅かに膨らんで 2 μm. 程度までで、釣り針状、あるいはかぎ形に曲がる。--
子嚢胞子は楕円形、無色、やや厚膜、平滑、顕著な内容物は無く、新鮮な胞子にド・バリー泡は認められない。7.2-8.3 × 3.7-4.6 μm. --
托組織は径 6-15 μm. の球形ないしやや角ばった無色薄壁の細胞からなり、髄層と外皮層の境界は不明瞭。縁部の細胞はやや伸びて円柱状になる。
[コメント]
ノウサギのやや古い糞塊に発生していたもの。小型の子嚢胞子等の特徴は C. glaucellus に良く一致すると思うので、この学名を当てておく。国内での記録は見当たらないが、北米等では比較的普通種の様である。
[参考文献]
Kimbrough, Luck-Allen and Cain (1972): North American species of Coprotus (Thelebolaceae: Pezizales). (Canadian journal of botany ; 50, p. 957-971).
Kušan et al. (2018): An overview of the genus Coprotus (Pezizales, Ascomycota) with notes on the type species and description of C. epithecioides sp. nov. (MycoKeys ; 29, p. 15-47).
[初掲載日: 2022.09.20] //
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