Diatrypella quercina
Diatrypella quercina (Pers.) Cooke.
枯枝生の核菌類。8月5日撮影。
[特徴]
子座は樹皮下に形成され、樹皮を破って突出する。
直径 1.0-2.5 mm.、高さ 1.0 mm. 程度のクッション形で表面は黒色、粗面で子嚢殻の孔口が見えるが目立たない。
子座内部はやや緑色を帯びた灰色、子嚢殻が一層に並ぶ。--
子嚢殻は一つの子座に 5-10 個程度、ほぼ球形、径 0.5 mm. 程度。--
子嚢は棍棒形で薄壁、基部は尾状に長く伸びる。先端は肥厚しリング状の構造が見られる。子嚢胞子は多数。140-190 × 10.2-12.0 μm. --
無色で細い糸状の側糸らしいものが見られるが詳細は観察できなかった。--
子嚢胞子はソーセージ形、淡黄褐色で平滑。目立った内容物は無いが、両端に油球のようなものがある。 7.4-10.9 × 1.8-2.5 μm.
[コメント]
地上の枯枝(Quercus 属?)に発生していたもの。一子嚢中の胞子の正確な数は数えられなかったが数十個程度であり、2の乗数だとすると 64個だと思う。
ほぼ年中、比較的普通に発生している。外国の図鑑類でも普通種となっている。
[参考文献]
Ellis and Ellis (1997): Microfungi on land plants. New enlarged ed.
[初掲載: 2007.10.03]