Erysiphe epigena S. Takamatsu & U. Braun
クヌギうどんこ病菌。１１月９日撮影。

[特徴]
菌叢は葉表面に拡がり、永存性、白色粉状、感染部は褐変しない。 菌糸は径 4-6 μm.、付着器は対生あるいは単生、浅く切れ込んだ拳状で径 5-8.6 μm. -- 分生子柄は円筒形、直立し、40-58 × 8-9 μm.、１-２個の隔壁があり、分生子を単生する。-- 分生子は楕円形、無色、薄壁、平滑、フィブロシン体を含まない。25.5-28.8 × 14-16 μm. -- 裂子嚢殻は菌叢中に散生する。黒褐色、扁球形、径 90-103 μm.、表面は径 8-18 μm. 程度の褐色厚膜の多角形細胞からなる。数個の子嚢を生じる。 附属糸は赤道上に９-１７本、放射状に生じ、直線状あるいはやや湾曲し、厚膜、隔壁は無く、基部付近が時に淡褐色を帯び粗面となる以外は無色で平滑、 先端は規則的な二叉分岐を３-４回繰り返して幅 34-40 μm. に散開し、末端は反り返る。 長さは最初の分岐までで 80-106 μm.、幅は基部付近で径 8-9 μm.、先に向かってやや細まり、先端付近で径 4-6 μm. 程度。-- 子嚢は広卵形、柄はほとんど無く、48.6-54.2 × 32.8-43.2 μm.、８個の子嚢胞子を生じる。-- 子嚢胞子は広楕円形、時にやや不対称になり豆型、無色、薄壁、平滑、20.6-25.7 × 11.4-12.9 μm.

[コメント]
クヌギ (Quercus acutissima) の葉に発生していたもの。 コナラ属に発生するうどんこ菌で従来 Erysiphe alphitoides (= Microsphaera alphitoides) の学名をあてられていた菌はいくつかの種に分けられている。これは E. epigena に該当する種だと思う。

[参考文献]
Takamatsu et al. (2007): Phylogeny and taxonomy of the oak powdery mildew Erysiphe alphitoides sensu lato. (Mycological research ; 111, p. 809-826).

[初掲載日: 2022.12.22] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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