Erysiphe ljubarskii var. ljubarskii
Erysiphe ljubarskii (Golovin) Braun & Takamatsu var. ljubarskii
カエデうどんこ病菌。11月21日撮影。
[特徴]
菌叢は葉の両面に生じるが、普通は表側に生じ、やや永存性、薄い白粉状に拡がる。裂子嚢殻は菌叢中に散生する。
裂子嚢殻は扁球形、黒褐色、径 102-115 μm.、表面は径 6-15 μm. の褐色厚膜の多角形細胞からなる。
子嚢殻中の正確な子嚢数を確認できなかったが、10個未満である。
附属糸は15-30本程度、赤道付近から生じて放射状に伸び、やや不規則に曲がりくねるものが多い。
無色、下半はやや厚膜で粗面、上半は比較的薄壁。隔壁は認められない。長さ 148-195 μm.、基部付近で径 4.5-6.0 μm.、
中央付近でやや太まり、径 8-9.5 μm. までになることがある。先端は1.5-2回転の渦巻状になり、その径は 11-18 μm. --
子嚢は不整卵形ないし広楕円形、やや厚膜、短柄がある。54-63 × 30-35 μm.、6個の子嚢胞子を生じるものが多い。--
子嚢胞子は長円形、平滑、ほぼ無色、内容物は泡状、19.7-22.9 × 9.1-12.0 μm.
[コメント]
カエデ(おそらくイロハモミジ、Acer palmatum)の落葉に発生していたもの。
変種 Erysiphe ljubarskii var. aduncoides も記録されている。
[参考文献]
大谷 (1988): 日本菌類誌. 第3巻、子のう菌類. 第2号、ホネタケ目・ユーロチウム目・ハチノスカビ目・ミクロアスクス目・オフィオストマキン目・ツチダンゴキン目・ウドンコキン目.
高松 (2012): 2012年に発行される新モノグラフにおけるうどんこ病菌分類体系改訂の概説. (三重大学大学院生物資源学研究科紀要 ; 38, p. 1-73).
[初掲載日: 2021.01.18, 最終更新日: 2022.12.14] //
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