Erysiphe magnifica

Erysiphe magnifica (U. Braun) U. Braun & S. Takamatsu
コブシうどんこ病菌。6月21日撮影。
[特徴]
菌叢は葉の両面に白色粉状に拡がるが、表側に顕著。斑点状からほぼ全面に拡がり、葉は萎縮、変形することが多い。
菌糸は永存性、無色、径 4-5.8 μm.、付着器は対生あるいは単生、拳形、対生する場合は普通は一方は小型でやや乳頭状、5-9 × 3.2-4.5 μm. --
分生子柄は直立し、円筒形、基部に隔壁があり、55-95 × 7-8.5 μm.、上半に1-2個の隔壁があり、柄足細胞は長さ 28-36 μm.、先端に分生子を単生する。--
分生子は楕円形ないし樽型、無色、薄壁、平滑、大型の液胞が目立ち、フィブロシン体を含まない。28.5-34.4 × 14.5-20.8 μm. --
完全世代は未観察。
[コメント]
初夏から夏頃、コブシ (Magnolia kobus) に発生し、特に新梢や若葉に拡がる。
完全世代は未観察だが、分生子柄の柄足細胞が比較的短く、基部が膨らまないなどの特徴から E. magnifica と同定しておく。
近年、ヨーロッパで拡がっているようである。
[参考文献]
Cho et al. (2014): Erysiphe magnoliicola, a new powdery mildew on Magnolia. (Mycotaxon ; 129(1), p. 153-161).
Ondrušková et al. (2014): The lily magnolia powdery mildew Erysiphe magnifica found in Slovakia. (Mycotaxon ; 127, p. 51-57).
大谷 (1988): 日本菌類誌. 第3巻 子のう菌類. 第2号 ホネタケ目・ユーロチウム目・ハチノスカビ目・ミクロアスクス目・オフィオストマキン目・ツチダンゴキン目・ウドンコキン目. 養賢堂.
高松 (2012): 2012年に発行される新モノグラフにおけるうどんこ病菌分類体系改訂の概説. (三重大学大学院生物資源学研究科紀要 ; 38, p. 1-73).
[初掲載日: 2025.06.30] //
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