Erysiphe verniciferae

Erysiphe verniciferae

Erysiphe verniciferae (P. Henn.) Braun & Takamatsu = Uncinula verniciferae P. Henn.
ヌルデうどんこ病菌。12月12日撮影。

[特徴]
菌叢は葉の両面に生じ、菌糸は無色、やや永存性で薄く拡がる。 裂子嚢殻は主に葉の裏面側に散生し、扁球形、黒色、径 108-120 μm.、表面の細胞は厚膜、褐色、径 10-20 μm. 程度の多角形細胞からなる。 正確な子嚢の数を確認することができなかったが、数個未満の様である。付属糸は12-16本、裂子嚢側面付近から生じて放射状に伸びる。 先端付近以外は比較的厚膜、隔壁は無く、無色、平滑だが、基部付近はやや粗造で淡褐色を帯びることが多い。 長さ 115-158 μm.、基部付近で5.2-8.6 μm.、先端に向かってやや細く、薄壁になり、先端は1.5回転程度の渦状になり、その径は 10-15 μm.、先端付近には小さな油球が少量ある。-- 子嚢は卵形、厚膜、短柄があり、6個の子嚢胞子を生じる。62-65 × 42-45 μm. -- 子嚢胞子は楕円形ないし卵形、薄壁、淡黄色、22.8-25.8 × 12.8-15.7 μm. -- 無性世代は観察できなかった。

[コメント]
ヌルデ (Rhus javanica) の葉に生じたもの。ヤマハゼ等、ウルシ属植物にも発生する。ウルシでは果実にも発生し、種子の成長を阻害すると言う。

[参考文献]
安藤ほか (2018): ウルシの種子生産を阻害するウドンコ病菌の同定とその被害. (東北森林科学会誌 ; 23(2), p. 57-61).
大谷 (1988): 日本菌類誌. 第3巻、子のう菌類. 第2号、ホネタケ目・ユーロチウム目・ハチノスカビ目・ミクロアスクス目・オフィオストマキン目・ツチダンゴキン目・ウドンコキン目.
高松 (2012): 2012年に発行される新モノグラフにおけるうどんこ病菌分類体系改訂の概説. (三重大学大学院生物資源学研究科紀要 ; 38, p. 1-73).

[初掲載日: 2020.12.24] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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