Gelatinipulvinella astraeicola
Gelatinipulvinella astraeicola Hosoya & Otani
ゲラティニプルウィネラ アストラエイコラ。9月20日撮影。
[特徴]
子嚢盤はツチグリの古い子実体の裂開した外皮の内側に群生する。
クッション形で半透明、やや硬いゼラチン質。初めは淡灰色、後にはやや橙色を帯びる。直径 200-300 μm.。柄は無く、下面でやや広く基質に固着する。--
子嚢は棍棒形、8胞子を生じ、上半は2列になる事が多い。メルツァー液に呈色せず、先端は顕著に肥厚する。48.6-80.2 × 8.5-11.2 μm. --
側糸は糸状、無色、基部付近で分岐し隔壁がある。径 1.4-2.0 μm.、先端はわずかに膨らむ。--
子嚢胞子は楕円形ないし長卵形。無色で薄壁、平滑。内容は泡状。11.1-13.8 × 4.0-5.8 μm. --
托髄層は絡み合い菌組織、外皮層はやや厚膜でゼラチン質につつまれたほぼ無色の多角形細胞からなる。
[コメント]
ほとんどミイラ化したような古いツチグリに発生する。分布は広いと思うが乾燥すると目立たないので雨上がりのような時でないと見つけるのが難しいが、
乾燥して丸まったツチグリを濡らしておくと発生する事もある。切片をきれいに切り出す事が出来なかったので組織構造の詳細については観察できていない。
「キノコの世界4」(植物の世界別冊. 朝日新聞社, 1997)で紹介されているが和名は与えられていないようだ。
[参考文献]
Hosoya and Otani (1995): Gelatinipulvinella astraeicola, gen. et sp. nov., a fungicolous discomycete and its anamorph. (Mycologia ; 87(5), p. 689-696).
[初掲載: 2008.09.29]