Golovinomyces asterum var. solidaginis

Golovinomyces asterum solidaginis

Golovinomyces asterum var. solidaginis U. Braun
アキノキリンソウ属のうどんこ病菌。2月8日撮影。

[特徴]
菌叢は葉の両面、葉柄、茎に生じ、不整形の白粉状からほぼ全面に拡がる。 菌糸は永存性、薄壁、隔壁があり、径 5-9 μm. 程度、付着器は乳頭状、径 5-6 μm. 程度。-- 分生子柄は菌糸体から生じ、円筒状、時に湾曲して伸び、径 8-11.5 μm.、基部に隔壁があり、柄足細胞は長さ 50-95 μm.。上半に1-2個の隔壁があり、先端に分生子を鎖生する。-- 分生子は楕円形ないしたる形、無色、薄壁、平滑、大型の液胞が目立ち、フィブロシン体は見られない。29-40 × 14-20.5 μm. -- 完全世代は未観察。

[コメント]
寄主はおそらくセイタカアワダチソウ (Solidago altissima)。 従来、不完全世代は Oidium asteris-penicei Peck、完全世代は Golovinomyces cichoracearum (DC.) Heluta の学名が使用されていたが、 現在はアキノキリンソウ属に発生する菌は G. asterum var. solidaginis とされている。子嚢殻の形成は比較的稀なようで観察できていないが、上記の学名を当てておく。

[参考文献]
Mieslerová et al. (2020): Golovinomyces powdery mildews on Asteraceae in the Czech Republic. (Plant protection science ; 56(3), p. 163-179).
Takamatsu et al. (2013): Comprehensive phylogenetic analysis of the genus Golovinomyces (Ascomycota: Erysiphales) reveals close evolutionary relationships with its host plants. (Mycologia ; 105, p. 1135–1152).
大谷 (1988): 日本菌類誌. 第3巻 子のう菌類. 第2号 ホネタケ目・ユーロチウム目・ハチノスカビ目・ミクロアスクス目・オフィオストマキン目・ツチダンゴキン目・ウドンコキン目.
高松 (2012): 2012年に発行される新モノグラフにおけるうどんこ病菌分類体系改訂の概説. (三重大学大学院生物資源学研究科紀要 ; 38, p. 1-73).

[初掲載日: 2024.02.15] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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