Hyalorbilia sp. no.3

Hyalorbilia sp. no.3

Hyalorbilia sp. no.3
ヒアロルビリア属菌。5月9日撮影。

[特徴]
朽木上に散生する。子嚢盤はほぼ平らで薄い皿状、全体が半透明乳白色、直径 0.8 mm. まで。縁は全縁、外面は無毛平滑。柄はほとんど無く、やや広く基質に固着する。-- 子嚢は円柱形、薄壁、先端は丸く、ほとんど肥厚せず、メルツァー試薬に呈色しない。8胞子を生じる。 17-25.8 × 3.4-6.3 μm. -- 子実層には子嚢よりやや細めの棒状の細胞が見られるが、側糸なのか未熟な子嚢なのか判然としない。子実層はゼラチン様物質に包まれて合着する。-- 子嚢胞子はほぼ球形、無色、薄壁、平滑、小さな油球状の内容物が偏在するように見える。径 1.7-1.9 μm. -- 托組織髄層は無色でほぼ球形、径 20 μm. までの細胞からなり、外皮層は無色薄壁、20 × 9 μm. 程度までの矩形状細胞からなる。縁付近の細胞は棍棒状、12-16 × 4.2-7.2 μm.

[コメント]
樹種不明の朽木に発生していたもの。子嚢胞子が観察できた子嚢は少なく、やや未熟な子実体だと思われる。 Baral et al. (2020) に記述のある球形の子嚢胞子を持つ Hyalorbilia 属菌には、該当しそうなものが見当たらない。

[参考文献]
Baral et al. (2020): Monograph of Orbiliomycetes (Ascomycota) based on vital taxonomy. pt. I + II. National Museum of Natural History Luxembourg, 1752 pp.

[初掲載日: 2023.09.30] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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